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【生活図鑑】

長期休暇(No.511) 取得義務付け検討を

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 フランスのバカンスに代表されるように、欧州では長期休暇が当たり前とされています。一方、有給休暇取得率の低い日本では、労働者が連続休暇を取ることさえ難しい現状です。有給休暇の計画的付与制度もありますが、普及していません。心身の健康のためにも、どのようにすれば休暇が取れるのでしょうか?

 フランスやドイツなどでは有給休暇の連続取得が法律で義務付けられています。

 フランスでは、連続して十二労働日を超える有給休暇を一年のうち一度以上、取得できます。ドイツも同様に、連続して十二週日(週日は日曜・祝日などを除いた日)の有給休暇の取得が制度化されています。どちらも、日曜などの休日を入れると少なくとも二週間以上の休みが取得できます。

 さらにフランスでは、事業主に対し、労働者に有給休暇を取得させる責任を定めています。有給休暇を消化しない労働者に、強制的に有給休暇を消化させる仕組みなどがあります。

●ILOが定めた権利

 また、国際労働機関(ILO)は「年次有給休暇に関する条約」(一三二号条約)で、労働者は、一年の勤務につき三労働週(週五日制なら十五日、六日制なら十八日)の有給休暇の権利がある▽連続休暇が原則▽分割する場合でも一部は連続二労働週を下回らない−としています。

 日本はこの条約を批准していません。有給休暇を連続取得させる法律もありません。

 労働政策研究・研修機構の調査では、連続二週間程度の長期休暇を取得した割合は2・2%で、取得しなかった人が96・5%にも及んでいます。取得しなかった人のうち63・2%は、本来なら取得したいと希望しているものの、有給休暇が少ないことや仕事の都合で、取得できませんでした。

 長期休暇を取得するために必要なことは「職場の雰囲気の改善」「休暇中のサポート体制の整備」「経営トップの意識改革」など職場の問題・経営者の意識改善が挙がっていました。また、「計画的に有給休暇を付与する制度の導入」の必要性も指摘されています。

●付与制度浸透せず

 有給休暇の計画的付与制度は、有給休暇のうち五日を除いた残りの日数について、労使協定を結べば、計画的に休暇を割り振ることができるものです。例えば有給休暇が二十日の場合、労働者が自由に取得できる日数は五日、残り十五日を事業主が計画的に取得させる日数にできます。

 付与方法は、全労働者に一斉に付与▽グループ別に付与▽労働者ごとに付与−などの方法があります。

 厚生労働省も制度導入のメリットを、事業主は計画的な業務運営ができ、労働者もためらいなく有給休暇を取得できるとしています。実際、計画的付与制度を導入した企業の方が導入していない企業に比べて、有休取得率は高く、平均取得日数も多くなっています。

 しかし、労使協定を結びこの計画的付与制度を導入している割合は、二〇一一年で15・4%にとどまっています。企業規模が小さくなるにつれ導入割合が低くなり、制度が生かされていません。

 日本は連続休暇はもとより、有休取得率が欧州主要国に比べ半分以下です。心身のリフレッシュや健康維持のためにも、有給休暇の取得促進を法的措置を含め、検討する必要がありそうです。

 制作・亀岡秀人

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