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【生活図鑑】

未支給年金(No.513) 受給者遺族 請求しないと受け取れず

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 年金受給者や年金を受け取る権利のある人が亡くなった場合、支給されるはずの年金が宙に浮く、未支給年金が生じます。生計を共にしていた遺族なら請求すれば、未支給年金を受け取れます。しかし、制度を知らず請求漏れも少なくないとみられています。未支給年金の仕組みは?

 年金を受給していた人が亡くなった場合、年金は亡くなった月まで受給する権利があるため、未支給年金が生じます。その理由は、年金が「後払い」のためです。

●1〜3カ月分必ず発生

 年金は、毎月支給されるのではなく、偶数月の原則十五日に二カ月分が支給されます。しかも、支払われるのは前月分までです。例えば、十月に振り込まれる年金は八、九月の二カ月分です。

 このため、十月(偶数月)の支給日前に死亡した場合は、八、九月と十月の三カ月分が未支給年金となります。また、十月の支給日以降に死亡した場合は十月分のみです。十一月(奇数月)に死亡した場合は十、十一月の二カ月分が該当します。年金受給者が亡くなった場合、必ず一〜三カ月の未支給年金が生じます。

 会社員だった人の場合、モデル世帯ケースで考えると三カ月分の未支給年金は約五十万円になります。

 生じた未支給年金はどうなるのでしょうか? 本人が亡くなっているため、遺族が受け取ることになります。

 条件として、生計を共にしていた遺族である必要があり、住民票などの証明書が必要です。遺族の範囲は四月から、おい、めい、おじ、おば、子の配偶者など「三親等内の親族」も対象になりました。この結果、(1)配偶者(2)子(3)父母(4)孫(5)祖父母(6)兄弟姉妹(7)その他の三親等内の親族−の順で受け取れます。

●2011年に規則変更

 年金は請求しなければ受け取ることができません。このため、未支給年金を知らずに手続きをしなければ受け取れないことになります。また、時効は五年です。

 未支給年金のデータなどは整備されていません。しかし、二〇一一年七月に住民基本台帳法の規則が変わったことで、請求漏れも少なくないとみられています。

 一一年六月までは、死亡を市区町村に届け出た時点で、十四日以内に年金の死亡届を出す義務がありました。この時に、未支給年金の請求も一体的に行われていたとされています。

 しかし、規則変更後は年金の死亡届の義務がなくなったため、市区町村へ戸籍上の死亡を届けても、未支給年金の請求手続きまで気付かない状況です。

 未支給年金の請求漏れを防ぐため、日本年金機構では請求届け出の勧奨を行っています。市区町村から死亡届の情報を受け、年金支給停止などの事務処理を行った翌月の中旬に、亡くなった人の住所に「○○様のご遺族様」宛てとして「未支給年金の手続きについて」とお知らせを送付しています。

●過誤払いも

 一方、遺族から市区町村に死亡届の提出が遅れた場合には、死亡月より後の月分の年金が、支給する必要のない「過誤払い」になります。

 過誤払いが生じた場合、年金機構は亡くなった人の相続人の債務調査をし、返還を求めています。返還方法は現金、または遺族が年金受給者なら自身の年金との調整などです。一三年度の返還請求は約四万件ありました。

 今後、認知症高齢者などの増加が見込まれるため、未支給年金の請求漏れや過誤払いも増加しそうです。年金機構では、勧奨文書などを見かけたら、年金事務所に相談してほしいとしています。

  制作・亀岡秀人

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