東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 生活図鑑 > 生活図鑑シリーズ・バックナンバー > 2014年の記事一覧 > 記事

ここから本文

【生活図鑑】

健保の傷病手当金(No.514) 会社員の休業時、日給3分の2を保障

写真

会社員が療養のため休業すると、健康保険から傷病手当金が支給されます。一方、不正受給も一部問題になるなど、制度の見直しも浮上しています。傷病手当金とはどのようなものでしょうか?

 会社員などが加入する健康保険には、療養のための休業中に、所得保障を行う傷病手当金があります。

 健保加入者本人の休業が対象で、加入者の被扶養配偶者などがパートなどを休んでも対象になりません。また、自営業者などが加入する市町村の国民健康保険に傷病手当金はありません。

●「連続3日」が条件

 傷病手当金は、療養のために連続して三日休業すると、四日目から受給できます。連続三日の休業日は、有給休暇日も対象になります。

 一方、二日休業の後で出勤し、また休んで休業日が通算三日になったとしても、連続していないため支給されません。

 同じ傷病による療養なら、一度条件を満たせばその後、出勤日があったとしても、あらためて連続三日の条件は不要です。

 療養とは業務上や通勤による以外の病気やけがでの療養をいい、単なる美容上の整形手術等は対象外です。病院への入院・通院日以外に、療養場所が自宅でも対象になります。また、療養で「これまで通りの仕事」や「勤務先が用意した軽易な労働」ができない場合も対象です。

 介護休業中でも、療養で働けない状態ならば傷病手当金の対象ですが、出産による休業で健康保険から出産手当金を受給中の場合、出産手当金が優先するルールです。

 傷病手当金の一日当たりの金額は、給与の一日分(標準報酬月額の三十分の一)の三分の二です。例えば、標準報酬月額が三十万円なら、一日分の手当金は約六千七百円です。

 給与が支給された日は給与と傷病手当金との差額分が支給されます。給与が傷病手当金と同額以上の日は支給されません。

 同じ傷病による傷病手当金は、開始から一年六カ月まで受給できます。健康保険組合によっては、日額を上乗せしたり、一年六カ月を超えて支給する独自の付加給付を設けている場合があります。

●原因、メンタルが25%

 協会けんぽと健康保険組合を合わせた傷病手当金の支給件数は、二〇一二年度で百五十万八千二百四十九件、支給額は二千八百八十五億円、一件当たりの金額は十九万一千円でした。

 また、協会けんぽの調査によると、休業の原因はうつなどの精神・行動障害が年々増えています。一三年十月分では25・7%を占め、四人に一人になりました。平均支給期間も百六十七日と約六カ月になっています。

 傷病手当金の手続きは、加入者本人の健保組合、協会けんぽに対して傷病手当金支給申請書を提出して行います。

 添付書類として、担当医師または歯科医師の意見書や、休業期間とその間の給与額に関する勤務先の証明書が必要です。手続きが遅れても、休業日ごとにその翌日から二年間は請求できます。

●不正受給も

 傷病手当金の不正受給は、加入者の休業直前に勤務先が不当に高い給与額を届け出て、高額な傷病手当金を受給させるといったものです。病院が虚偽の診断書を作成するケースも起きています。

 不正受給の防止策が議論され、休業の半年から一年程度前の給与の平均額を基に支給額を決める方法などが浮上しています。

 編集・亀岡秀人

 デザイン・川端乙大

ご注文はこちらから
 

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報