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【生活図鑑】

女性の登用(No.516) 設定した数値目標 現時点では困難

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 政府は女性の登用を成長戦略の中核と位置付け、「社会のあらゆる分野で2020年までに指導的地位に占める女性の割合を30%にする」としています。目標を達成することは可能なのか。男女共同参画基本計画の数値から見てみます。

 「指導的地位」とは、(1)議会議員(2)法人・団体で課長相当職以上の人(3)専門的・技術的な職業のうち、特に専門性が高い職業に従事する人(医師、弁護士など)−を指します。

●際立つ日本の低さ

 欧米諸国と比べると、国内での管理職に占める女性の比率はかなり低めです。男女共同参画白書によると、日本で管理職相当職に就く女性の比率が11・2%(二〇一三年)だったのに対して、米国43・7%(一二年、以下同)、フランス39・4%。アジア地域では、フィリピン47・6%と大きな差がありました。

 政府は、既に第三次男女共同参画基本計画(一〇年)で、数値目標と達成期限を設定しています。

 民間企業(従業員百人以上)の課長相当職以上に占める女性の割合は、一五年に10%程度を目指しています。目標設定時の〇九年は6・5%で、最新値でも6・9%です。

 政府の方針を受け、経団連の加盟企業も役員・管理職への女性登用のための自主行動計画を策定しました。トヨタ自動車は、現在百一人いる女性管理職を二〇年に三倍、三〇年には五倍へ増やすほか、資生堂は一四年四月に26・8%だった女性リーダー比率を一六年度に30%にすることを目指します。

 国家公務員では、本省の課室長相当職以上に占める割合は一五年度末までに5%程度を目指します。計画策定時の〇九年一月は2・2%、一三年十月時点の最新値は3・0%でした。

 政治の世界では、衆議院議員の候補者に占める割合を二〇年までに30%にすることを目指しています。しかし、目標設定時の〇九年時点で16・7%、一二年は15%へ減少しました。さらに、候補者ではなく国会議員の女性比率を比較すると、日本の低さは際立っています。日本は8・1%で、百六十二位でした。

 学問の世界では、自然科学系の女性研究者の採用目標として早期で25%、さらに30%を目指しています。〇八年は23・1%、一一年の最新値は24・2%でした。ただ、研究者全体に占める女性の比率を見ると、14・4%にすぎません。

 数値目標を掲げても、実効性がなければ意味がありません。女性の活躍を妨げている理由は共通しています。例えば、女性研究者が少ない理由は「家庭と仕事の両立が困難」「育児期間後の復帰が困難」「職場環境」などを挙げる女性が目立ちました。研究者に限らず、結婚後のサポートが鍵を握りそうです。

●企業は後ろ向き?

 民間企業での女性登用についても、本気度が問われるデータがあります。帝国データバンクが行った意識調査によると、課長相当職以上に占める女性の割合が0%の企業は51・5%、10%未満も29・6%に上りました。

 また、今後の見通しも女性管理職については「変わらない」が61%で、「増加する」は20・9%。役員については「変わらない」が74・5%、「増加する」が6・3%で、企業の姿勢は前向きとはいえません。

 政府は今後、有価証券報告書に役員の女性比率の記載を義務付けるなど、女性登用への後押しを行います。30%達成の成否が注目されます。

   制作・中島有希

   編集・亀岡秀人

 デザイン・高橋達郎

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