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【生活図鑑】

ねんきんネット(No.521) 普及 さらに周知が必要

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 インターネットで年金記録などを確認する「ねんきんネット」のID発行件数が300万件を超えました。2011年2月のサービス開始から着実に利用者が増えているものの、まだ普及が十分とはいえません。持ち主不明の記録検索機能も追加されるなど、ねんきんネットの現状をまとめました。

 ねんきんネットは、加入記録の確認のほか、年金額の試算なども行えます。また、年金請求書など各種届け出書をパソコンで作成、印刷もできるサービスです。機能の拡充は続いているものの、将来的には電子申請機能など、さらなる利便性の向上が求められます。

 利用者数に当たるID発行数は、一二年七月に百万件に達した後、一四年六月には三百万件を超えました。

 公的年金の被保険者数は一二年度末で六千七百三十六万人、受給者数は三千九百四十二万人です。三百万件を超えたといっても、利用者は被保険者・受給者の3%にも満たない状況です。

 三百万件の内訳を見ると、男性が59・8%で女性が40・2%と、男性の利用割合が高くなっています。

 年齢別では、六十代前半の利用が最も多く、全体の約二割を占めました。次いで六十代後半、五十代後半の順になっています。六十代以上の利用が39・2%と約四割を占め、年金受給世代の利用も多くなっています。受給額などが気になる五十代後半から、ねんきんネット利用が進んでいることが分かります。一方で二十代、三十代の利用は進んでいません。

●低い若年層の関心

 若年時には年金への関心がなく、高齢になるほど関心が高まる傾向は、保険料納付率にも表れています。

 自営業者らが加入する国民年金保険料の納付状況を見ると、五十代前半から納付率が増加。五十代後半では73%に達しており、滞納者の割合も18・1%と唯一、二割未満でした。

 二十代から四十代までは平均納付率60・9%を下回り、特に二十代後半は49・9%と最も低くなっています。滞納率も、保険料納付を猶予される学生納付特例の対象になる二十代前半を除き、二十代後半、三十代は30%を超えています。

 全体の利用もまだまだですが、若年層のねんきんネット利用をいかに拡大するかが課題です。

 若年層への対策の一つとして、年金記録の確認など一部の機能しか利用できないものの、スマートフォン版ねんきんネットのサービスも開始しています。一五年一月からは学生納付特例申請書、免除・納付猶予申請書などの作成・印刷ができるようにします。

 若年層の年金への関心が高まれば、保険料納付率の向上などにもつながる可能性があります。

●記録検索利用進まず

 持ち主の分からない年金記録「宙に浮いた五千万件」のうち、いまだに解明されていないものが約二千百万件あります。

 不明な記録の検索が一三年一月からできるようになりました。ねんきんネットで検索し、該当する記録があれば年金事務所で詳しく調べるという流れです。記録解明の有効な手段として期待されています。

 しかし、記録検索をした件数は九月末で約二十六万五千件にとどまっています。当初、見込んだほどには利用されていません。理由として、持ち主不明記録の検索がねんきんネットでできること自体、まだ知られていないことなどが挙げられています。

 年金記録問題をきっかけに、一人一人の記録が確認できる仕組みとして、ねんきんネットができました。ネットの利用状況が、年金制度への理解の反映ともいえそうです。

  編集・亀岡秀人

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