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【生活図鑑】

生前贈与(No.522) 住宅、教育…非課税枠の活用

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 2015年から相続税の基礎控除が縮小され、課税される人が増えます。ただ、生前贈与を活用することで、相続税の課税額を減らすこともできます。子や孫など若年世代へ早期に資産移転を図る狙いもあります。主な生前贈与の仕組みは?

 生前贈与では、毎年百十万円までの贈与が非課税になる暦年課税贈与(基礎控除)があります。妻や子らそれぞれに毎年百十万円ずつ贈与しても贈与税はかかりません。ただし、相続開始前三年以内の贈与の場合、相続財産に加算されます。

●税率が8段階に

 では、五百万円を贈与された場合の贈与税はどうなるのでしょうか。五百万円から基礎控除の百十万円を引いた三百九十万円が課税対象になります。税額は図のように計算し、五十三万円です。

 一五年からは、贈与税の税率が六段階から八段階になり、最高税率も引き上げられます。しかし、親や祖父母から二十歳以上の子、孫への贈与の場合は特例として税率が軽減されます。

 特例の場合、五百万円を贈与されると税額は四十八万五千円です。

 では、五百万円のうち四百万円を親から特例で、百万円を配偶者から一般で、それぞれ贈与されたら…。この場合は、五分の四が特例、五分の一が一般なので、四十九万四千円になります。

●マイホーム資金

 暦年課税のほかにも生前贈与を活用することはできます。配偶者への居住用不動産または居住用不動産取得資金の贈与もよく利用されます。

 これは、結婚二十年以上の妻に、居住用不動産またはその取得資金を贈与しても、二千万円まで非課税になる制度です。既に夫婦が住んでいる住宅について、妻の共有割合を増やすという形でも可能です。妻から夫への贈与もできます。ただし、事実婚では適用されません。なお、登録免許税や不動産取得税はかかります。

 この場合、贈与するのは資金よりも不動産そのものの方が有利です。なぜなら、相続や贈与の際の不動産の評価額は時価よりも低くなるケースが多いからです。暦年課税の非課税枠百十万円分も併用できます。

 次に、子や孫に対する住宅取得資金贈与も活用できます。親、祖父母から二十歳以上の子、孫に対して、省エネまたは耐震型住宅の場合で一千万円、それ以外の住宅でも五百万円まで非課税で贈与することができます。

 一四年末までの時限的制度で、政府は期間の延長と限度額の引き上げを検討しています。

 住宅資金贈与とともに「暦年課税」か「相続時精算課税」(贈与時には軽減された税額を支払い、相続時に精算する。用途は住宅資金に限らない)のいずれかを選択できます。

 「相続時精算課税」を選択すれば、さらに二千五百万円を非課税で贈与できます。一四年までは「六十五歳以上の親から二十歳以上の子へ」が条件ですが、一五年からは「六十歳以上の祖父母または親から二十歳以上の子、孫へ」と緩和されます。

●祖父母から孫へ

 祖父母から孫に教育資金として千五百万円を一括贈与しても非課税になる制度があります。小中高、大学など学校教育に対する支出が主な対象ですが、五百万円までは塾、予備校など学校以外にも支出が可能です。

 信託協会の調べによると、一四年九月までに八万九千九十五件、六千四十八億円分が利用されています。一五年末までの時限的制度ですが、延長などの要望があります。

 編集・川北隆雄

 デザイン・佐藤圭美

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