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【生活図鑑】

配偶者加給年金(No.523) 誤解多い支給停止条件

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 女性が社会で活躍する政策が進められています。一方、年金制度の誤解で、女性が就労をためらうケースもあります。代表的なのが、「妻が20年以上会社勤めすると、夫の老齢厚生年金の配偶者加給年金が支給停止になる」というものです。女性の就労と配偶者加給年金の関係をまとめました。

●老後の「家族手当」

 配偶者加給年金が受給できるのは、厚生年金の加入期間が二十年以上あることが条件です。

 さらに、六十歳代前半で「特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分+定額部分」か、六十五歳から「国民年金の老齢基礎年金+老齢厚生年金」を受給する時点で、六十五歳未満の配偶者を扶養している場合に支給されます。いわば老後の家族手当です。

 支給開始の時点で、配偶者の年収が将来にわたって八百五十万円未満であることも条件です。

 加給年金の額は年約三十九万円(二〇一四年度。一九四三年度以降生まれの場合)で、配偶者が六十五歳になるまで支給されます。

 現在、男性の場合、六十歳代前半は報酬比例部分のみの受給です。そのため、老齢基礎年金を受給する六十五歳以降でなければ、配偶者加給年金は支給されません。

●妻勤続20年の場合

 加給年金と二十年の関係を誤解しているケースを見てみましょう。

 例えば、夫は六十五歳、妻が五十四歳の夫婦を考えてみます。妻は二十代に会社勤めをし、結婚、出産で退職。その後、四十九歳から会社員として働いています。五年後に厚生年金加入期間が二十年になります。妻は六十二歳から報酬比例部分を受給します。

 妻は「会社に勤めて二十年になると、夫の加給年金が停止になるので、その前に退職した方がよいのではないか」と考えています。

 しかし、妻の厚生年金加入期間が二十年になる時点(夫七十歳)でも、夫の年金に加給年金は支給されます。停止になるのは、妻が報酬比例部分を受け取る時(夫七十三歳)です。

 つまり、配偶者(妻)自身が厚生年金に原則二十年以上加入していても、加給年金が支給停止になるのは、妻が自分の老齢厚生年金(六十歳代前半の特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分を含む)を受給し始めた場合です。加入が二十年未満なら、妻が六十五歳になるまで支給停止になりません。

 「加入期間二十年」だけが強調され、誤解を生んだと思われます。

 ただ、注意も必要です。厚生年金加入期間が二十年未満でも、生年月日に応じて男性四十歳(女性三十五歳)以降に十五から十九年の加入期間があれば、二十年加入したものとして取り扱われます。

 現在、六十五歳未満の人で考えると、この特例の対象となるのは一九五〇年四月二日から五一年四月一日生まれの妻です。三十五歳以降の厚生年金加入期間が十九年あると、加給年金は支給されません。

 妻が障害年金を受給している場合、六十五歳未満であっても加給年金は支給停止となります。

 また厚生年金には、働きながら老齢年金を受け取る場合、老齢厚生年金の額が減額される「在職老齢年金」の制度があります。この制度で年金が全額支給停止になると、加給年金も支給停止になります。

●繰り下げしても…

 老齢年金の受給開始時期の繰り下げを選択した場合、受給の開始時期までは、加給年金は支給されません。繰り下げをした場合には、老齢年金額は増額されるものの、加給年金は増額されません。

 編集・亀岡秀人

 デザイン・佐藤恵理

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