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【生活図鑑】

急増する空き家(No.524) 高齢化に伴い より深刻に

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 空き家が増えています。全国の住宅のうち7戸に1戸は空き家です。地域内に放置されたままの空き家があると、防災や衛生面などの問題があります。高齢化の進展で、空き家がさらに増えかねません。特に都市部で深刻な状況です。自治体や国も対策に乗り出しましたが、十分とはいえません。

 二〇一三年の全国の総住宅数は六千六十三万戸、空き家数は八百二十万戸(総務省住宅・土地統計調査)で、空き家率は13・5%と過去最高でした。七戸に一戸が空き家の状態です。

 別荘などを除いた空き家率の高さを都道府県別に見ると、一位山梨県(17・2%)、二位愛媛県(16・9%)、三位高知県(16・8%)、続いて徳島県と香川県(いずれも16・6%)となっており、愛知は12%、東京は10・9%でした。

 一三年の空き家の用途別内訳は、賃貸用が52・4%と半数を占め、別荘などが5・0%、売却用3・8%、いずれにも分類されない「その他」が38・8%でした。「その他」は建て替えや引っ越しなどによるものを含み、〇三年以降、じわじわと比率を高めています。

●税負担の問題も

 空き家が発生する原因は、総住宅数が総世帯数を上回っているためです。具体的には、住み替えや一時的な転居、買い増し、死亡などで居住者がいなくなり、所有者や相続人の事情で空き家になるというパターンが考えられます。

 空き家の活用や処分が進まない背景には「相続しても、遠くて管理できない」とか「道幅が狭く再建築ができない」「解体費用がかかる」といったさまざまな事情が挙げられています。また、更地にすると固定資産税が最大六倍になるという税負担の問題もあり、空き家のままで放置されているケースが多くなっています。

 このため、空き家所有者を対象にした調査によると、空き家の現状について「特に何もしていない」が71・0%と大半を占め、「売却・譲渡先を募集中」9・8%、「賃貸住宅として借り主を募集中」7・4%、「不動産業者に相談中」6・8%でした。

 また、日常的な管理は「自分で管理」が61・2%、「不動産業者などが管理」10・5%、「親族などが管理」11・2%などでした。一方で「特に管理していない」が12・8%もありました。

●将来は都市部で

 七十五歳以上の高齢世帯の持ち家比率は81・5%と、全世帯平均の61・6%を大きく上回っています。推計では、一〇年に比べて四〇年には七十五歳以上人口が神奈川、埼玉で二倍超、千葉、愛知で二倍弱、東京、大阪などで一・七倍程度と都市部を中心に急増する見通しです。

 うち約四割が一人暮らし、三割程度が夫婦のみ世帯となることを考えると、首都圏や都市部で空き家が急増することが予想されます。

 老朽化した建物が放置されたままになると、ごみの投棄など、不衛生な状態になります。また、場合によっては倒壊する危険もあります。治安面でも問題が多いと指摘されています。

 そこで、空き家解消のための条例を制定する自治体が相次いでいます。国土交通省によると、条例数は一四年四月時点で三百五十五に上りました。また、国レベルでも空き家対策の法制化を目指しています。

 野村総合研究所の試算では、空き家対策などが進まないと、二三年には空き家率が21%、五戸に一戸が空き家になるとしています。高齢化が進む中、抜本的な対策が求められています。

 編集・中島有希

 亀岡秀人

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