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【生活図鑑】

介護 どこで、だれに(No.525) 「家族への負担」施設を選ぶ

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 高齢化が進む日本。2025年には、団塊の世代が後期高齢者である75歳以上になります。どこで、誰が介護するのか、またされたいのかが、切実な問題になっています。ここ10年余りで、介護を受けたい場所は施設希望が自宅希望を逆転しました。一方、在宅で介護している人は、子の配偶者の割合が減るなど、大きく変わっています。社会情勢の変化で今後、介護はどうなるのでしょうか?

 介護が必要な要介護者(要支援を含む)は二〇〇〇年度には約二百五十万人でしたが、一三年三月末には約五百六十一万人と十三年間で二・二倍になりました。今後も、高齢化により、要介護者は増加していく予想です。

●「自宅希望」を逆転

 介護を受けたい場所は、以前は自宅(在宅)が過半数を占めていました。〇一年の内閣府の国民生活選好度調査(対象十五歳から七十九歳)では在宅が54・8%、施設が41・3%でした。

 一方、一〇年の世論調査(対象二十歳以上)では、自宅(現在の住まい)と答えたのは37・3%にとどまり、特別養護老人ホームなど施設との答えが58・1%と、過半数が施設を選択していました。

 団塊の世代(一九四七年から四九年生まれ)を対象にした意識調査では、男性は自宅が42・1%、施設が40・3%で、女性は自宅が34・2%、施設が45・1%でした。団塊の世代では男性が若干自宅希望が多く、女性とは差がありました。

 これらの調査結果を見ると、介護を受ける場所として、在宅から施設を望む人が増加していることがうかがえます。

 理由は「家族への負担」です。一〇年の調査(複数回答)では「家族に迷惑をかけたくないから」が最も多く、次いで「専門的な介護が受けられるから」などでした。

●子の配偶者は大幅減

 国民生活基礎調査(厚生労働省)の「主に介護している人」の推移を見ると、配偶者は26%前後で変わりません。また、子は20%前後で推移しています。大きく変わったのは子の配偶者です。〇一年に22・5%と配偶者に次いで多かったのが、一三年には11・2%にまで減少しています。

 子の配偶者は主に女性で、従来、義理の親の面倒を見るのは当たり前と思われていました。しかし、社会情勢や意識の変化で〇〇年以降、減少したのではないかと思われます。また、未婚率の上昇などの影響もあるとみられます。

 子の配偶者の割合が減少した影響で、同居する親族が介護する割合も減りました。〇一年に70%を超えていましたが、一三年には61・6%にとどまっています。一方、事業者が主な介護者になる割合が増加してきました。

 また、同居の介護者の性別は、調査ごとに男性が増え、一三年には三割を超えました。高齢夫婦世帯が増加し、夫が妻を介護するケースなどが多くなったとみられます。今後も高齢夫婦世帯の増加などで、老老介護と高齢男性が介護するケースが増えていくと考えられています。

●夫と妻、意識にズレ

 先の団塊の世代調査で、誰に介護してもらいたいかとの希望を見ると、男女とも配偶者の希望が多いものの、男女によって差が出ています。夫は半数以上が妻を希望しているのに対し、妻は夫を希望している割合がほぼ四人に一人で、施設などの事業者を希望する割合の方が高くなっていました。また、子の配偶者については、ほとんど希望していません。

 国は、特養への入所は原則、要介護3以上にするなど、介護の場所として在宅を中心にした政策を進めています。施設希望が増えるなか、在宅で家族への負担をいかに抑えていくのか? 高齢化と介護する親族の変化に合わせ、一層の対策が求められています。

  制作・亀岡秀人

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