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【生活図鑑】

定年後の雇用状況(No.526) 非正規、賃金ダウン

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 希望すれば65歳まで働ける改正高年齢者雇用安定法が施行され1年半が過ぎました。この間、雇用確保措置として継続雇用制度を実施した企業が8割を超えていました。雇用形態は委託など自社の非正規社員が68.7%と約7割を占め、契約期間も1年単位が84.4%に達していました。年収も60歳到達時点に比べ、多くは3割から4割減でした。

 改正高年齢者雇用安定法は、原則、労働者が希望すれば六十五歳までの雇用を企業に義務付けるものです。二〇一三年四月から施行されました。雇用確保の方法は(1)定年制の廃止(2)定年の延長(3)継続雇用制度−のいずれかと定められています。

 厚生労働省の調査(三十一人以上の企業、一四年六月時点)では98・1%の企業が雇用確保措置を実施していました。その内容は「継続雇用制度」が81・7%で、「定年の廃止・引き上げ」を大きく上回っていました。また、継続雇用制度のうち希望者全員が対象なのは66・2%で、33・8%は対象者を限定できる経過措置を取っていました。

●仕事は同じなのに…

 継続雇用制度が八割を超えている影響はどのように表れているのでしょうか?

 労働政策研究・研修機構の調査(五十人以上の企業、一三年七月時点、複数回答)によると、雇用形態は自社の正社員が45・8%、嘱託など自社の非正規社員が68・7%。グループ会社などの正社員が4・7%、同非正規社員が8・6%でした。自社・グループ会社を合わせると77%、約八割が非正規でした。特に大企業になるほど、非正規の割合が高くなっています。

 継続雇用者の雇用契約期間も一年単位が84・4%で最も多くなっていました。正社員から非正規社員になったものの、六十歳以降の仕事の内容は、定年到達時と同じが90・9%でした。勤務日数・時間も定年前と変わらないフルタイムが86%で最も多く、次いでフルタイムだが日数を減らしたのが26・6%でした。

 六十歳以降の働き方は、多くが定年前と同じ仕事を、一年単位の嘱託や契約社員として行っていることになります。

●賞与、約40%未支給

 賃金・収入はどうなっているのでしょうか?

 先の調査では、年間給与は定年到達時を一〇〇とした場合、平均で六八・三で、約三割減になっています。また、賞与が支給されたのは約六割でした。

 連合が厚労省の賃金構造基本統計調査(一三年)を基に定年前(五十五〜五十九歳)と六十〜六十五歳の男性の年間賃金(所定内賃金と賞与。医療、教育従事者を除く)を比べた結果、定年前を一〇〇とした場合、六三・二でした。

 また、総務省の家計調査で二人以上の勤労者世帯で見ると、世帯主の勤め先収入は五十五〜五十九歳が四十六万八千二百円、六十〜六十四歳が二十九万八百五十七円で約四割減少していました。

 各種統計などから見ると、六十歳以降は三割から四割、賃金が減少するのが現実のようです。

 一方、賃金を含めた労働条件の向上については、取り組みが遅れています。労働組合が再雇用者を組合員にしているのは27%にとどまっていました。

 年金の空白期間などの問題で、六十五歳まで働くことが必要になってくるなか、今後、この年代の処遇をどのようにするのかが課題です。

  制作・亀岡秀人

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 次回は1月14日に掲載します。

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