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【生活図鑑】

高額療養費の改正(No.528) 所得によっては負担増も

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 会社員の健康保険や自営業者の国民健康保険に共通する高額療養費制度が1月から変わりました。これにより、所得によっては医療費の自己負担が従来よりも増える人と減る人がいます。高額医療費の仕組みを確認してみましょう。

 七十歳未満の人の医療費の自己負担は、原則かかった医療費の三割です(小学校入学前は二割。七十代前半は原則二割か三割、七十五歳以上は一割か三割)。しかし、大きな手術や長期の入院など、医療費自体が高額な場合、家計に影響を及ぼします。

●限度額を変更

 そこで、公的医療保険では一カ月間の自己負担限度額を設けています。限度額を超えた分は会社員なら健康保険から、自営業者などの場合は国民健康保険から、それぞれ支払われる高額療養費制度があります。

 七十歳未満の自己負担限度額はこれまで、低所得者、一般所得者、上位所得者の三区分で設定されていました。低所得者は定額三万五千四百円、一般は八万百円+医療費の約1%、上位所得者は十五万円+同1%です。

 この自己負担限度額が、一月から変更されました。

●5区分に細分化

 今回の見直しは、所得に応じた医療費負担の公平性を高めるのが狙いで、所得区分を細分化しました。従来の上位所得者と一般の区分をそれぞれ二区分に細分化し、低所得者と合わせて五区分になりました。

 さらに、上位所得者(加入者数では約千三百三十万人)には所得に応じた負担を求めました。一方、一般では所得が低い人(約四千六十万人)の負担は軽くなるように設定されています。

 具体的には、かかった医療費総額を百万円として計算すると、上位所得者の場合、従来の限度額は十五万五千円でしたが、見直し後は給与(標準報酬月額)五十三万〜七十九万円(国保の場合は、収入から必要経費や基礎控除を引いた所得約六百万〜九百一万円)の層で約十七万二千円となり、約一万七千円上がります。

 一般の限度額は約八万七千円でした。一月からは、一般のうち標準報酬月額二十六万円以下(同約二百十万円以下)の場合で約五万八千円に下がります。

 また、高額療養費の適用が直近十二カ月で四回以上になる場合、四カ月目からの自己負担限度額が下がる仕組みがあります。見直し後は上位所得者で、やはり自己負担が増えます。

 なお、七十歳未満の低所得者と、七十歳以上の自己負担限度額は、従来通りです。

 高額療養費を受ける場合、二通りの方法があります。保険者(健康保険組合や市区町村など)にあらかじめ申請して受け取った限度額適用認定証を医療機関の会計窓口へ提出すると、自己負担限度額だけの支払いで済みます。一方、いったん自己負担割合通りの額を病院窓口で支払い、後で限度額を超えた分を保険者に請求して受け取る方法があります。

 見直しがあった七十歳未満の一般と上位所得者の場合、二〇一四年十二月までに保険運営側から交付された適用認定証は一月以降使えず、新たに交付してもらうことになります。

  編集・亀岡秀人

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