東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 生活図鑑 > 生活図鑑シリーズ・バックナンバー > 2015年の記事一覧 > 記事

ここから本文

【生活図鑑】

学童保育(No.530)  待機児童対策 質・量ともに課題

写真

 共働き世帯の増加で学童保育の需要が高まっています。政府は施設運営の統一基準や指導員の資格を新たに作り、2019年度末までに新たに約30万人分を確保することを目指しています。量と質の両面を確保できるのでしょか?

 厚生労働省によると、二〇一四年五月時点の学童保育の登録児童数は前年比四万七千二百四十七人増の九十三万六千四百五十二人。施設数は二万二千八十四カ所で前年より六百二カ所増えました。ニーズの多さに追いつかず、待機児童数は同千二百五十六人増の九千九百四十五人となりました。

●不足分どう補う

 この数字に含まれるのは、自治体に申し込んだのに入れなかった場合のみです。全国学童保育連絡協議会は「母親がほぼフルタイムで働いている子どもは約百二十万人おり、潜在的な待機児童は約四十万人」と推測しています。

 政府は、子どもの小学校入学で母親が仕事を辞めざるを得なくなる「小一の壁」を打破するため、「放課後子ども総合プラン」を掲げています。学童保育については、ニーズ調査に基づき、一九年度末までに新たに約三十万人分確保して約百二十万人にすることを目指しています。

 一方、全国自治体の今後五年間の事業計画を集計したところ、一七年度で約八万三千人分、一九年度で約五万一千人分が足りないことが判明しました。今後、どのように目標に近づけるか、質の確保も含め取り組みが問われます。

 厚労省は「高学年になると塾通いが増えるなど生活の自立がある程度進むこともあり、現時点である程度の(数字の)開きがあっても、安全・安心の受け皿の確保は可能と考えている」としています。

●4月から新基準

 学童保育は本来、放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)という名称で、児童福祉法に基づいて運営されています。一二年の同法改正で、一四年には学童保育の設備や運営についての国の統一基準が初めて制定されました。学童保育を設置している市区町村はこの基準に基づいた条例を定め、一五年度から適用します。

 新基準では、学童保育に「放課後児童支援員」という資格を持った指導員の配置を求めています。配置基準は一カ所当たり二人以上ですが、一人がこの資格を持っていれば、もう一人は補助員でもかまいません。

 放課後児童支援員については、一五年度以降、都道府県が認定資格研修を実施します。受講資格は(1)保育士(2)社会福祉士(3)高卒で二年以上児童福祉事業に従事−など九項目のいずれかに該当することです。五年間の移行期間が設けられており、一九年度末までに研修を修了すればよいことになっています。

 研修は二十四時間十六科目で、子どもの発達や障害のある子どもの理解、子どもの遊びの理解と支援などを学びます。修了者に交付される認定証は全国の学童保育で通用します。

 政府は〇七年から、すべての児童を対象とした放課後子供教室と、留守家庭の児童のみの学童保育を一体的、あるいは連携して実施することを推進してきました。東京二十三区内では、公立小学校の施設を活用して両者を一体的に運営している自治体が目立ちます。

 学童保育については、一五年度以降、制定した条例の基準に基づいて運営される見込みです。しかし、江戸川区のように条例は作らずに区の独自事業として学童保育を運営するケースも出ています。

 編集・中島有希 亀岡秀人

ご注文はこちらから
 

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報