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「改憲」首相意欲と温度差 自民公約

2016年6月4日

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 自民党が三日発表した参院選公約は、結党以来の党是とする改憲について、憲法発議に必要な「衆参両院の三分の二以上の賛成」に触れ、合意形成に力点を置いた書きぶりになった。首相在任中の改憲に言及してきた安倍晋三首相の強い意欲は、あまり反映されなかった。(木谷孝洋)

 改憲の記述は、第二次安倍政権になって約七カ月後に行われた二〇一三年参院選では、「国防軍の設置」や「緊急事態条項の新設」などの自民党改憲草案の十項目を列挙し、「憲法改正に積極的に取り組む」としていた。

 しかし、一四年衆院選では「憲法改正のための国民投票を実施し、憲法改正を目指す」と、あっさりした記述になった。

 今回の公約では、一四年衆院選でも触れた「国民投票」に加え「三分の二」の記述が加えられた。さらに「衆参両院の憲法審査会における議論を進め、各党との連携を図り」と、国会で改憲議論を盛り上げていくことを意識した文言も入っている。首相は今年に入り、通常国会で改憲議論を盛り上げていく必要性について述べているため、公約にも反映したとみられる。

 首相は合意形成にとどまらず、改憲に積極的な答弁を続けてきた。三月二日の参院予算委員会では、改憲について「私の在任中に成し遂げたい」と明言。二月三日の衆院予算委では九条改憲にも触れた。

 だが、首相の積極性が今回の公約には反映されているとは言いがたい。一連の発言を受け、参院自民党から「改憲は参院選の目玉ではない。公約は経済から始まり憲法は最後の付け足しだ」(伊達忠一参院幹事長)、「(九条改憲への言及は)参院選前に不適切」(山東昭子・元参院副議長)などと反発が出たことも影響したとみられる。稲田朋美政調会長は三日の記者会見で、改憲の記述について「抑制的とは思わない。首相も歴史的なチャレンジと述べている」と強調した。

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