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【スポーツ】

稀勢ヒヤリ 全勝守る 土俵際…琴奨菊を突き落とす

稀勢の里(左)は突き落としで琴奨菊を下し、全勝をキープした

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◇大相撲春場所<9日目>

 新横綱稀勢の里は関脇琴奨菊を突き落とし、9戦全勝とした。関脇高安も豪風をはたき込み勝ちっ放し。大関照ノ富士は勢を寄り切って勝ち越し、4度目のかど番を脱出した。横綱鶴竜は宝富士を寄り切って7勝目を挙げたが、横綱日馬富士は荒鷲に寄り切られて3敗目。荒鷲は3個目の金星となった。

 全勝の稀勢の里と高安を、照ノ富士と平幕栃煌山が1敗で追う。十両は豊響、大砂嵐が2敗でトップ。

 最大のピンチは長年のライバルが運んできた。全勝を守った稀勢の里に「ぎりぎりのところだった」と冷や汗をかかせた相手は、大関復帰を目指す琴奨菊だった。同一カードで史上最多を更新する幕内での63度目となる対戦。横綱の重い腰は、土俵際まで一気に押し込まれた。

 「思った以上に来ましたね」。今場所は冷静さと安定した相撲が光る稀勢の里が、初めて想定外の攻めを受けた。立ち合い、頭で当たって左からおっつけたがきかない。琴奨菊の低い攻めに押され、最後は俵の上に乗りながらも左から逆転の突き落としで何とか星を手にした。

 危うさは、八角理事長(元横綱北勝海)も「立ち合いで腰が浮いた」と見抜いていた。そして「相手の当たりが良かった。15日間やっていればこういう相撲もある。ただ、明日以降はしっかり修正してほしい。このままではダメだ」と指摘した。約5年間、大関同士で競い合った琴奨菊から、冷や汗という薬をもらった格好だ。

 本場所以外でも2人は、二所ノ関一門の連合稽古で何百回とぶつかってきた。今月3日の連合稽古でも14番。横綱と関脇になり、地位に差がついたが、琴奨菊は「結局自分自身なので」と意識せず、稀勢の里も「稽古場では対等だと思ってやってます」と態度は変えなかった。

 互いに手の内は知り尽くしている。ライバルであり、盟友のようでもある2人。先場所、稀勢の里が唯一土をつけられたのも琴奨菊。鋭い出足で寄られ、土俵の外に一歩足が出た。だが、今回は踏みとどまった。わずか数十センチ。その差は綱を張る責任感がもたらしたものだろう。 (生駒泰大)

 

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