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【スポーツ】

柔道新ルールに課題多く 全日本体重別で適用、混乱も

柔道の全日本選抜体重別選手権の男子66キロ級決勝で、高市賢悟(下)に一本勝ちした阿部一二三。世界選手権の代表に初めて選ばれた=福岡市で

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 2日に終了した全日本選抜体重別選手権は、国際柔道連盟(IJF)が試行する新ルールのもとで実施された国内初の主要大会だった。「有効」の廃止に加え、正規の時間内では「指導」の差だけで勝敗決着をつけないため、延長戦が増加。審判の指導のタイミングもばらつき、一部の試合には混乱もあった。選手、審判のそれぞれに新ルールの適応に課題を残した。 (平井良信)

 新ルールは選手に積極的な攻撃を促すのが狙い。2020年東京五輪に向け、柔道の魅力向上を目指してIJFが今年2月に試験導入した。主な変更は「有効」と、「技あり」二つによる「合わせ技一本」を廃止したほか、男子の試合時間を1分短縮して女子と同じ4分間に。従来の指導4度での反則負けは3度となった。

 大会は2日間の日程で行われた。勝敗で技のポイントがより重視されるようになったため、昨年はわずか7試合だった延長戦が45試合に。延長戦の大幅な増加について、西田孝宏審判長は「指導の差で終わっていた試合が延長になった。投げない試合は延長になる」と説明した。

 延長戦は時間無制限のため、必然的に試合時間も長くなる。初日の女子78キロ超級準決勝の素根輝(福岡・南筑高)−山部佳苗(ミキハウス)は10分54秒、最終日の男子100キロ級決勝のウルフ・アロン(東海大)−羽賀龍之介(旭化成)は12分14秒に及んだ。いずれの試合も若手でスタミナのある素根、ウルフが格上の実力者を破った。

 初日に長時間の試合が多くなったことを受け、西田審判長は「攻めているかをよく見極めるように審判団に伝えた」。最終日は消極的な試合で早めに指導が出された。

 試行錯誤の中、女子57キロ級では両者が反則負けとなる“珍事”も起きた。1回戦の玉置桃(三井住友海上)−小野彰子(ベネシード)はともに指導2度で延長に入り、7分10秒、両者とも消極的として痛恨の指導。玉置は「初日は10分を超える試合もあった。納得がいかない」と不満を漏らし、小野も「攻めているつもりだった」と戸惑った。

 全日本柔道連盟の金野潤強化委員長は「新ルールは投げ切れる技のある選手が非常に有利」と語る。実際、3試合でオール一本勝ちして男子66キロ級を制した阿部一二三(日体大)は「自分は一本を取る柔道なので違和感なくやりやすい」と話した。

 新ルールの正式導入は今夏の世界選手権後に検証される。女子代表の増地克之監督は「欧州の審判は、より厳しく指導を取る。4分間で決着をつける力を付けなければ」と対策づくりを強調した。

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