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【スポーツ】

北勝富士、成長の金星 土俵際 無心で押し返す

北勝富士(左)が寄り切りで日馬富士を破る

写真

 一人横綱の日馬富士は平幕の北勝富士に寄り切られ、2連敗で2勝2敗となった。北勝富士は2場所連続2個目の金星獲得。

 かど番の大関照ノ富士は、大関初挑戦の阿武咲に引き落とされ、3敗目を喫した。かど番の大関豪栄道は栃ノ心を押し出し、3勝目を挙げた。

 関脇御嶽海は小結玉鷲に屈して3敗目。関脇嘉風は琴奨菊に完敗し、4連敗。

 4戦全勝は琴奨菊、阿武咲、千代大龍、貴ノ岩、大栄翔の平幕5人となった。

      ◇

 踏み込みながら頭を激しくぶつけ合ったところまでは覚えている。ただ、立ち合いの衝撃のせいか、北勝富士のその後の記憶は「写真みたいにつながっていない」。館内に座布団が乱れ飛んでようやく、初めての結びの一番で金星を挙げた実感が込み上げる。「小さいころからこの結びにあこがれてやってきたから」と小学生時代からの思いをかなえ、夢見心地で26本の懸賞の束を受け取った。

 ぶつかりあった後に右差しを許し、一気に土俵際まで押し込まれた。後方へ飛ぶように右へ回りこみながら、必死に日馬富士を振りほどく。右上手を引いて土俵中央で左四つに組み直すと、今度は横綱を俵まで押し込んだ。勝負を決める瞬間は、かすかに覚えている。「出るしかない」と意を決し、全身を上下に大きく揺すって寄り切った。

 横綱、大関陣に初めて挑んだ先場所も鶴竜を破ったが、二つ目の金星は「先場所圧倒された横綱に勝てたから一味違う」という。

 前回の日馬富士戦は立ち合いから一直線に後退し、残す間もなくすくい投げに屈した。場所後は基本に立ち返り、四股やすり足に時間を割いて下半身を鍛え直した。今度も押し込まれはしたが「立ち合いはしっかり当たれた」。土俵際に反撃の時間を残したところに1場所分の成長があった。

 「研究されるからより厳しい闘いになる」と覚悟して臨んだ今場所も、高安戦の不戦勝を含めて先場所と同じく1横綱2大関を破った。もう横綱、大関との対戦がないだけに、まだまだ勝ち星を積み重ねる余地はある。「勝ち越さないと意味がない」と金星の記憶にとらわれることなく、残り11日間に挑む。 

  (浅井貴司)

 

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