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【スポーツ】

リオ「金」田知本が引退 女子70キロ級 気力限界、学業に専念

2016年8月、リオデジャネイロ五輪柔道女子70キロ級で優勝し、金メダルを掲げ笑顔の田知本遥=共同

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 リオデジャネイロ五輪柔道女子70キロ級金メダルの田知本遥(27)=ALSOK=が4日、現役引退を明らかにした。全日本柔道連盟(全柔連)が発表し、同日に強化指定辞退届を提出した。10日に東京都内で記者会見を開く予定。気力の限界が主な理由だという。

 田知本はALSOKを通じ「柔道家としてこの道で、次に求める気持ちが湧いてこなかったことが理由の一つ」などとコメント。今後は同社に所属しながら、今春に進学した筑波大大学院での学業に専念する意向を示し「現在は新たなことを知りたい、学びたいというのが私のモチベーション」と述べた。

 富山県出身の田知本は東海大4年の2012年ロンドン五輪で7位。力強い大外刈りを生かして全日本選抜体重別選手権を3度制するなど日本女子中量級を長く引っ張り、リオ五輪では女子日本代表でただ一人、頂点に立った。

 リオ五輪後の実戦は6月の全日本実業団体対抗大会にとどまり、個人戦には出場していなかった。11月の講道館杯全日本体重別選手権での復帰が注目されたが、エントリー締め切りの4日に進退の決断を下した。

◆あくなき努力 完全燃焼

 田知本遥にとって、リオデジャネイロ五輪は一世一代の輝きだった。日本勢ではただ一人シード圏外で前評判は低かったが、決勝までの5試合を勝ち抜く姿には気迫がほとばしっていた。「本当に苦しかったけれど、やっと終わった」と達成感に浸る言葉を残した。

 7位に終わったロンドン五輪後に引退を考えたが、雪辱へ執念を燃やした。母校の東海大で男子部員に交じって稽古をし、心身ともにたくましくなった。英国への武者修行も経験し、視野が広がった時期でもあった。

 自らを五輪女王へと導いたのは、たゆまぬ研究と万全の準備。相談役だった東海大男子柔道部の上水監督によると、試合の動画を何度も見返し、苦手な状況を畳で何度も再現して克服したという。同監督は「ありとあらゆることをやった。あれ以上を求めるのは酷」と述懐する。完全燃焼したのだろう。

 リオ五輪後は休養に入り、現役続行の意欲は薄く感じられた。2連覇が懸かる東京五輪に向け、つい最近は「勝ちと負けの両方を経験した。これ以上のことはない」と発言。今春から大学院に通いながら、アフリカや欧州など世界各地で柔道普及にも取り組み、既に「第二の人生」をしっかりと見据えていた。

 <たちもと・はるか> 7歳で競技を始め富山・小杉高、東海大で78キロ超級の姉、愛とともに活躍。2012年ロンドン五輪は7位。16年リオデジャネイロ五輪は柔道女子で唯一の金メダルを獲得した。全日本選抜体重別選手権優勝3度。得意は大外刈り。今春から筑波大大学院に進学した。ALSOK所属。167センチ。27歳。富山県出身。

 

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