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【スポーツ】

新体操、日本なぜ世界で躍進? 最強ロシアで一から強化

 2020年東京五輪に向け、新体操の日本勢が世界との差を詰めている。世界選手権(8月30日〜9月3日、イタリア)で個人と団体のメダルを獲得し、今月1日まで東京都内で行われたイオン・カップ世界クラブ選手権のクラブ対抗でも、日本勢が初の表彰台。有望株を最強国ロシアに送り込んで心技体を磨かせる強化策が功を奏してきた。(佐藤航)

 世界選手権の種目別フープで銅メダルに輝き、日本個人として42年ぶりの表彰台に立った20歳の皆川夏穂(イオン)は、凱旋(がいせん)試合となったイオン・カップ世界クラブ選手権に右膝の痛みを押して出場。全体的には精彩を欠いたが、リボンで観衆を魅了した。

 長さ6メートルの手具の正確な投げ受けに加え、技と技の間も無駄のない身のこなしを披露。日本体操協会の山崎浩子強化本部長が「エレガントさでは世界一」と評する演技で全体で2番目の高得点を出し、チームの3位に貢献した。

 日本協会は12年ロンドン五輪で2大会続けて個人総合の出場を逃したのを受け、団体と個人の両方で若手のロシア留学を強化策に取り入れた。皆川は13年からモスクワでロシア人コーチに師事。「手足や体の使い方。本当に一から教えてもらった」という。

 幼少期は遊び感覚で競技に親しむ日本と違い、ロシアは3、4歳から徹底的に基本を学ぶ。土台ができれば、技の難度を上げてもぶれがない。皆川は「難しいことをやっても基礎を生かせるようになった」と成長を実感。一方、本場のバレエも見学して「音楽を感じて動きにつなげる勉強」もしている。

 世界選手権の個人総合は初出場の4年前が36位。23位、15位と順位を上げ、4度目の出場だった今年は日本勢で過去最高に並ぶ5位に入った。同じくロシアを拠点とする16歳の喜田純鈴(すみれ=エンジェルRG・カガワ日中)も今年、世界選手権で個人総合12位、イオン・カップ世界クラブ選手権で同5位と健闘している。

 団体も世界選手権の総合で銅メダルを獲得し、種目別もロープ・ボールで銀、フープで銅と躍進。主将の杉本早裕吏(さゆり=みなみク)は「ロシアとの差はなくなってきている。ここからはロシアにあって日本にない美しさを、日々の練習で手に入れたい」と語る。

 新体操は旧ソ連や東欧の国々が強さを誇ってきた。国際体操連盟の渡辺守成会長は「欧州中心の新体操界に変革の兆しが見えてきた。皆川選手のメダル獲得で(他大陸の選手にも)希望の光が差した」と評価した。

 

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