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【スポーツ】

<東京五輪 1000日後の自分へ>阿部一二三 4連覇 夢のスタートに

今年4月の全日本選抜体重別選手権、豪快な大外刈りで一本を奪う阿部一二三=福岡国際センターで

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 柔道の世界選手権男子66キロ級金メダリストの阿部一二三(日体大)は「柔道の申し子」と呼べる逸材だ。豪快な技の連続は見る者を魅了する。力強く記した1000日後の自分自身へのメッセージは、決意の表れでもある。 (森合正範)

 <1000日後、思い描く姿がある。それは「強さ」以上のもの。抽象的だが、目指すべき領域。そして畳に立つ自分へ、筆を走らせた>

 圧倒的な存在。きっと、そうなっているやろうな。66キロ級の選手の中でも柔道というジャンルの中でも、誰が見ても飛び抜けた存在に。

 自分のスタイルは変わらないだろうし、一本をとりにいく柔道は絶対に変わっていない。しかも練習も準備もすべてやっているでしょう。だから、畳に立つ自分へ投げかける言葉は「自分の柔道をやるだけ」。信じてやれば負けるはずがない。だって、圧倒的な存在なんだから。しっかり組んで、相手を崩して、豪快に一本をとりにいけばいい。

 <初出場だった今年の世界選手権は6試合中5度の一本勝ち。高々と担いで投げる姿はバルセロナ五輪金メダルの古賀稔彦をほうふつさせる。日本代表の井上康生監督は「古賀さん以来のスーパースター」と称した>

 そう言ってくださるのはうれしいです。期待に応えたいし、五輪で優勝して「その言葉に間違いなかった」と証明するのが僕の役目。

 観客が「いつ投げるんやろう」とワクワクする柔道を目指してやっています。柔道でそういう感覚はなかなかないですよね? 野球だったらホームランを打てばすごいと分かるし、サッカーならゴールを決めたら盛り上がる。柔道も一本とれば「ウオーッ」となる。勝ちにプラスして、相手との差をみせつけたいですね。

 <思わぬ体勢から相手を投げる。その威力もすさまじい。日体大の山本洋祐部長は「常識では考えられないところから技を決めきれる」と驚きを隠さない>

 僕の投げ技は「強引」と思われることもあるけど、自分ではきちんと投げられる感覚で技に入っている。世界選手権でもすごく落ち着いて試合ができていた。まあ、後から動画を見て「うわー、ヤバイ入り方しとるなあ」と思うことも多々あるんですけどね、アハハ。

 あと1000日で一つ、二つの技をつくるのは難しいけど、バリエーションを増やしてどの組み手からでも、どんな体勢からでも投げられるようになりたい。もっと寝技でも強くならないといけないし。

 <五輪3連覇の野村忠宏に憧れる。「野村さんを超える4連覇をしたい」と大きな夢を語る>

 野村さんを見て「かっこいいな。僕もこうなりたい」と思うようになったんです。五輪4連覇は最大の夢。誰もが「無理やろ」と思いますよね。だけど、野村さんは3連覇して、4連覇を目指そうとしていた。そう考えると自分もできるんじゃないかな。

 でも、東京五輪をクリアしないと先はない。金メダルで「4連覇のスタート」と言いたい。そのためにも1000日後、圧倒的な存在になっていないといけないんです。 

<あべ・ひふみ> 柔道男子66キロ級。兵庫・神港学園高2年時の2014年に男子史上最年少の17歳2カ月で講道館杯を制覇。16年グランドスラム(GS)東京大会優勝。17年は全日本選抜体重別選手権で2連覇、世界選手権金メダル。得意は背負い投げ。日体大。168センチ。20歳。神戸市出身。

 

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