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【スポーツ】

阿武咲 空回り

◇大相撲九州場所<2日目>

 3場所連続で休場していた横綱稀勢の里が新小結阿武咲を突き落とし、初白星を挙げた。横綱白鵬は玉鷲を送り出して2連勝としたが、横綱日馬富士は平幕貴景勝に押し出され、2連敗。貴景勝は2個目の金星獲得。

 かど番の大関高安は栃煌山を、大関豪栄道は小結琴奨菊を寄り切り、ともに2連勝とした。関脇の3人はいずれも敗れ、10勝すれば大関に返り咲く照ノ富士と、嘉風はともに2連敗。御嶽海は初黒星を喫した。

   ◇

 待ち望んでいた初対戦は、あっけなく終わった。新小結の阿武咲が「憧れの人」と言ってはばからない稀勢の里に頭からぶつかっていく。直後、突き落とされて両手を土俵についた。「滑った感じ」と左足が流れたのが直接の敗因。ただ短い攻防にも、横綱の勝負強さを感じる場面があった。

 阿武咲が警戒していたのは横綱の左差し。朝稽古では右からおっつける立ち合いを繰り返していたが「考えたのと全然違った」。反対に右からおっつけられ、体勢を崩した。裏をかかれて力を出し切れず、取組前に立てた「恩返しの意味を込めてやりたい」という誓いは空回りした。

 力んでもおかしくない一番だった。小学4年の夏、巡業で新小結の稀勢の里と記念撮影をしてもらったのが最初の接点。十両昇進後、幕下に陥落していた昨年6月には出稽古に訪れた横綱に胸を借り、躍進のきっかけをもらった。

 この一番を待っていたのは稀勢の里も同じ。普段対戦相手について語ることの少ない横綱にしては珍しく、「非常に力のあるいい力士」と実力を認めた。

 これで稀勢の里は幕内700勝を達成した。「まだまだ伸ばしたい」と前向きな言葉も口を突いた。威力を見せつけるまではいかなかったが、生命線の左からのおっつけで白星を挙げたのも明るい材料。八角理事長(元横綱北勝海)は「おっつけが出れば、腰も落ちて安定してくる」と評価した。

 初対戦にほろ苦さを残した新小結と、浮上のきっかけをつかんだ横綱。勝負は短かったが、2人が得たものは大きいだろう。(浅井貴司)

 ▽幕内700勝 稀勢の里が記録。史上9位で、現役3位。史上、現役ともに1位は白鵬の958勝。

 

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