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【スポーツ】

暴力体質 決別遠く 日馬富士、酒席でモンゴル後輩に

貴ノ岩への暴行が発覚した日馬富士=14日、福岡県太宰府市で

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 日本相撲協会は14日、横綱日馬富士について、師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)と負傷した貴ノ岩の師匠の貴乃花親方(元横綱)からあらためて事情を聴き、暴力行為があったことを確認した。

 暴行が起きた原因や何人の力士がかかわっているかなどは今後、危機管理委員会で究明されることになる。どんな理由が明らかにされるか分からないが、「協会の顔」と位置付けられる現役横綱の暴力行為は決して許されるものではない。

 同じ一門のある親方は「日馬富士の暴力は、いつかは発覚するだろうと思っていた」と顔を曇らせながら話した。日馬富士は激情型ですぐに興奮してしまうタイプ。「稽古場でも自分勝手に怒り出し、若い力士が力を抜くとかわいがる(集中して稽古をつける)ことが多かった」と言う。

 横綱は若い力士に胸を出し、稽古をつけるのが役目の一つでもある。しかし、日馬富士は「胸を出すのではなく、自分がとりたい相撲ばかりとり、それについてこれない力士には、いじめともとれる行為を繰り返していた」と同親方。「伊勢ケ浜部屋に出稽古に行く力士が少ないのは、そのせいもある」と説明した。

 暴行事件は10月26日の鳥取巡業の前夜に起こったとされる。モンゴル力士ばかりの食事会で、酒も飲んでいたという。被害者の貴ノ岩が同郷の先輩の暴力行為を隠すように、その後も巡業の土俵に上がり、今月2日には部屋宿舎がある福岡県田川市の市長を表敬訪問していた。

 今回の事件は受傷してから10日後に入院加療し、「頭蓋骨折、髄液漏の疑い」などという重傷の診断書が提出され、不可解な点も多い。

 協会内では、九州場所開催2日前に臨時理事会を開いていた。その際に伊勢ケ浜親方が貴乃花親方に頭を下げて謝罪したが受け入れられず。提出している被害届を取り下げる意思がないことを、貴乃花親方はこの日も協会執行部に伝えたという。

 協会内にいる被害者側と加害者側の溝が一向に埋まらない。それでいて、加害者である日馬富士を暴行問題が明るみに出るまで2日間も本場所の土俵に立たせるなど、同協会の問題意識の低さが再び顔を出した。

 2007年の力士暴行死亡事件。現役引退に追い込まれた10年の横綱朝青龍の暴行問題。そのたびに日本相撲協会の対応のまずさが指摘されてきた。回復した相撲人気を再び低迷させないためにも、徹底した原因究明が求められる。(大相撲取材班) 

 

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