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【スポーツ】

白鵬、負けても土俵去らず 前代未聞の物言いアピール

◇大相撲九州場所<11日目>

 大相撲の横綱白鵬が九州場所十一日目の二十二日、関脇嘉風戦で初黒星を喫した際、立ち合いの不成立をアピールし、土俵下で不満げに物言いを要求するなど“前代未聞”の振る舞いを行った。横綱日馬富士の暴行問題が世間を騒がせる中、同じく横綱の品格を欠いた言動で物議を醸しそうだ。

 白鵬は当たってすぐにもろ差しを許し、「呼吸が合わなかった」と力を抜いた。だが行司の軍配は返っており、そのまま敗戦。土俵下では立ったまま右手を挙げ、しばらく動かない。審判委員に促されて土俵に渋々上がったが、嘉風が勝ち名乗りを受けても約二十秒間不服そうに立ち尽くし、館内は騒然となった。審判部では十二日目(二十三日)に対応を協議する意向。

     ◇

 勢いよく寄り切られ、砂かぶりに尻もちをついた。立ち上がった白鵬が、頬を膨らませて右手を挙げる。物言いをつけない審判を恨めしそうに眺めること1分。ようやく土俵に上がってからも首をひねり、不満げに手を広げた。嘉風が花道を歩き始めてもなお土俵に立ち尽くす横綱に、館内から非難の声が降り注いだ。

 長い風呂から上がると、抑揚のない声で「待った」を求めた理由を説明した。「納得いかないわけじゃないけど呼吸が合わなかった」。ただ、先に両手をついて構えていたのは嘉風。白鵬は自分のタイミングで立てる状態にあった。「嘉風関も力を抜いたし、こっちも」と続けたが、立ち合いは左から張り、厳しい攻め手を緩めたのはもろ差しを許してから。山科審判長(元小結大錦)は「2本入ってそう(待ったをかけようと)思ったのだろう」と指弾した。

 横綱は「1回でも(映像を)見てもらいたかった。最後の場面でもね」と、もつれるように土俵下へ落ちた瞬間にも疑問を挟んだ。「物言いだ」と言い張る白鵬に土俵に上がるように促した式秀親方(元幕内北桜)は、「ルールとして本人は物言いをつけられない。横綱でも負けたら潔く」と苦言を呈する。

 秋場所でも立ち合い成立後、日馬富士が待ったを求めて力を抜く一番があったばかり。暴行問題で角界への信頼が揺らいでいる今、土俵への興味をさらに失わせる振る舞いは、誰も望んでいない。

 白鵬は帰り際、「まあ終わったことだから」とつぶやいた。自らをいさめるような言葉は本物か。依然賜杯争いのトップを走る横綱の残り4日間に、厳しい目が注がれている。 (浅井貴司)

◆自分で判断は駄目

<八角理事長(元横綱北勝海)の話> 白鵬は嘉風が遅れて立ったので「待った」だと勘違いしたのだろう。自分で判断したら駄目だ。

 

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