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【スポーツ】

前人未到 白鵬40度目V

◇大相撲九州場所<14日目>

 横綱白鵬は遠藤を押し出して13勝1敗とし、2敗で追っていた平幕の北勝富士と隠岐の海が敗れたため、自身の持つ最多優勝記録を更新する2場所ぶり40度目の優勝が、千秋楽を待たずに決まった。

 ともに初優勝の可能性を残していた2人は、北勝富士が小結阿武咲に突き出され、隠岐の海は玉鷲のはたき込みに屈した。新三役の阿武咲は7勝7敗。

 大関豪栄道は宝富士を寄り切って9勝目を挙げた。関脇勢は御嶽海が勝ち越したが、嘉風は負け越した。

◆「言葉にならないぐらいうれしい」

 一分の隙も与えなかった。立ち合い、左手を遠藤の顔の前にかざし、右から強烈なかち上げを見舞う。間髪入れずに左のど輪。厳しい攻めを続けざまに出した白鵬が、何もさせずに遠藤を押し出した。

 前人未到の40度目の優勝。「大台を達成できてほっとしている。(初優勝した時は)40回は想像できなかった。言葉にならないぐらいうれしい」。奮起の原点は春までさかのぼる。「3月場所を休場したときに後援会の方から『40回優勝した人はいない』と言われ、体が熱くなった」。昨年の優勝は2度にとどまり、今年は初場所、春場所と稀勢の里が連覇した。

 和製横綱の台頭に対し、白鵬は度重なるけがにも見舞われ、力の衰えが指摘されるようになっていた。年内の残り4場所に向け、後援者が送った激励の言葉。その数字を次へのモチベーションに、4場所のうち3場所で優勝。昨年の優勝回数を上回った。

 2場所続けて3横綱が休場する事態となったが、最後は一人横綱の白鵬が優勝で締めた。見届けた八角理事長(元横綱北勝海)は「やっぱり精神力、貪欲さというのかな。それがあっての40回。勝てば、また次、また次とね。これを見せつけられると、来年も中心になる」と白鵬の天下が続くことを予見した。

 今場所は、自身も参加した酒席での日馬富士の暴行問題が世間を騒がせた。2010年から11年にかけて、八百長問題など不祥事で揺れた時期も綱を張った。「大変な経験をし、二度とそういうことがないようにと思っていたけど、本当に申し訳ない思いでいっぱい」。優勝決定後の支度部屋で神妙な顔で話した。

 年間最多勝は獲得したものの、休場が2場所あり、史上最低の数字。11日目には敗戦に納得がいかず、自分で物言いをアピールする失態もあった。心身の衰えが確実に忍び寄る中、来年も己との戦いが続く。 (生駒泰大)

 

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