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【スポーツ】

<結実 川崎J1初制覇> (上)守備に規律、意識改革

 2日に行われたJ1最終節の大宮戦。逆転で初優勝を飾った川崎は5−0で大勝した。抜群の攻撃力と粘り強い守備が共存する今季のチームカラーを象徴する一戦だった。以前から「攻撃的チーム」と称されながら頂点に上り切れなかった川崎。今季攻守に圧倒したのは、コーチから昇格した鬼木監督が川崎らしさを失わず、ほころびのないよう守備意識を高めた結果だ。

 昨季まで川崎を5季率いた風間前監督(現J2名古屋監督)は、究極のポゼッション(ボール保持)を志向した。就任の際、クラブ幹部に「われわれにもまだ見えていない本当の攻撃的サッカーを基礎からつくってほしい」と依頼された。追求したのは「ボールを奪われなければ点は取られない」という独自の理論。ボールを正確に止めて、狙った足元にパスを通す基本技術を徹底し、昨季もJ1で年間最多の68得点を誇った。

 後任の鬼木監督は、そのスタイルを継承しながら「守備の強度」を高く意識させた。相手ボールとの距離感、素早い寄せ、攻守の切り替えの早さ。体の当て方一つも映像を見せて徹底させるテコ入れで、より高い規律ができた。センターバックの谷口は「うちは攻撃で点を取ることから始めるチームなので、攻守のバランスが良くなった」。

 今季のリーグ戦34試合で、71得点32失点。得点数はJ1最多を誇り、失点数は今季J1最少30失点の磐田や、幾多のタイトルを重ねてきた堅守が持ち味の鹿島の31失点に匹敵する少なさだった。

 川崎で3年連続得点王に輝いた大久保嘉(現FC東京)が昨季限りで抜けながら、小林が23得点でJ1得点王になった。10得点を挙げた阿部、高いキープ力で前線に新たなアクセントを加えた家長ら今季から加入したメンバーもチームに溶け込み、攻撃力が衰えることはなかった。

 前監督時代に現役を引退した川崎強化部の伊藤宏樹氏は「風間さんが理論的に説明するところを、鬼木さんは戦うこと、体を張ることを情熱的に強調しながら、良いところを引き継いでいった」。川崎一筋15年の中村は「今までの良かったところに、鬼木さんが足りないものを加えてくれた。攻守に隙のないチームをつくろうという考えが数字に表れている。信じて質を上げていけば優勝に近いと証明できたことが何よりうれしい」と声を弾ませた。

     ◇   ◇

 川崎がJ1初制覇を果たした。長らく「シルバーコレクター」のレッテルを貼られたクラブが手にした初タイトル。悲願が結実した背景を探る。 (Jリーグ取材班)

 

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