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【スポーツ】

不屈の小平、世界最速 スピードスケートW杯

スピードスケートW杯女子1000メートルを世界新で制した小平奈緒=米ソルトレークシティーで(共同)

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 【ソルトレークシティー=共同】ワールドカップ(W杯)第4戦最終日は10日、米ソルトレークシティーで行われ、女子1000メートルで小平奈緒(相沢病院)が1分12秒09の世界新をマークして優勝した。ブリタニー・ボウ(米国)の2015年の記録を0秒09更新。日本勢が五輪で実施される個人種目で世界記録を出すのは女子では初。男子を含めると05年に500メートルでマークした加藤条治(博慈会)以来となる。

 小平は1000メートルでW杯3勝目、500メートルと合わせて通算19勝目。自身の日本記録は0秒42塗り替えた。高木美帆(日体大助手)が1分12秒63で2位だった。

 男子5000メートルはテッドヤン・ブルーメン(カナダ)が6分1秒86の世界新で制し、格下のBクラスで土屋良輔(メモリード)は6分14秒78の4位だった。

 年内のW杯4戦を終えて小平が500メートルと1000メートル、高木美が1500メートルで日本スケート連盟の選考基準を満たし、代表選考会(27〜30日・長野市)出場を条件に来年2月の平昌冬季五輪代表に決まった。出場枠は最大で男女各10人。

◆カーブ攻略 高地リンク順応

 苦しんできたカーブに「不安はなかった」と思い切り突っ込んだ。小平は序盤から女子1000メートルの自己最速ラップで飛ばしながら、高い技術を要するカーブも見事に脚を運んだ。恐れず、慌てず「自分の滑りに集中した」と神経を研ぎ澄ませ大願を成就させた。

 内側のレーンから出て最初の二つのカーブは内径の小さい内側を回る。厚さ約1ミリの刃に体を預け、時速50キロ超で急旋回しながら加速する序盤のポイント。前週、転倒した鬼門でもあったが「余裕を持って入れた」と勢いを殺さず駆け抜けた。

 ストレートの伸びが最大の武器。一方でカーブは、特にスピードが出る高地のリンクで苦労してきた。

 5季前、2週連続で転倒したときには自信を失い、結城コーチに「リンクに行きたくない。明日の試合、出なきゃいけませんか」とまで漏らした。心酔する師からも「自分で立ち上がれ」と突き放された。

 今は技術、精神とも成長した。前日、得意の500メートルはカーブでわずかに失速したが「うまく使える左足に頼りすぎていた。左右両足使うイメージ」(結城コーチ)に微修正。疲労で腰高になった最後を除けば、一歩一歩、力強く氷を捉えた。

 500メートルで世界記録に届かなかったことも「自分に必要な、悔しい思いを得ることができた。プラスになると思った」と言うほど、たくましくなった。転んでは立ち上がり、速くなってきた小平。スケート人生が凝縮された世界新記録だった。 (共同)

 

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