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【スポーツ】

登坂が準決勝を棄権 レスリング全日本選手権

 全日本選手権第3日は22日、東京・駒沢体育館で男女の計10階級の決勝などが行われ、女子は55キロ級で向田真優(至学館大)が昨年の53キロ級に続いて優勝した。リオデジャネイロ五輪48キロ級覇者の登坂絵莉(東新住建)は50キロ級の初戦を突破したが、左脚を故障している影響で準決勝を棄権した。

 男子はフリースタイル74キロ級で、世界選手権70キロ級銅メダルの藤波勇飛(ゆうひ=山梨学院大)が初優勝した。79キロ級の高谷惣亮(そうすけ=ALSOK)は74キロ級を含めて7年連続7度目の日本一。リオ五輪57キロ級銀メダリストの樋口黎(れい=日体大)は65キロ級の2回戦で敗退した。

 2020年東京五輪で採用する階級区分、試合方式を適用しており、各階級の決勝までを2日間で実施している。

◆強行出場…左脚回復せず

 非情にも思える通告だった。「棄権だからな」。けがを押して強行出場したリオデジャネイロ五輪金メダルの登坂。辛くも初戦を突破した直後、恩師の栄和人・日本協会強化本部長から唐突に告げられると、ただ泣くことしかできなかった。

 五輪前から痛めていた左足を今年1月に手術した。復帰後の照準は今大会。推薦枠で出場も可能だったが、あえて9月に国内大会に出場。優勝して出場権を獲得した。

 だが10月中旬、合宿中に左膝と左足首の靱帯(じんたい)を痛めてしまう。周囲は出場を止めた。それでも試合勘が薄れるのは嫌だった。「選手である以上、挑戦したい」。悩み、この日の朝に出場の最終判断を下した。

 格下の大学生を相手に、30秒足らずで片足タックルから2点を先制したが、試合運びはおぼつかない。左脚を攻められれば、患部の悪化が頭をよぎって踏ん張れない。2度、追いつかれた末の辛勝。「負けても何も言えない試合だった」と登坂は振り返った。

 「これ以上やってまたけがしては、ダメージが大きすぎる。本人には相談せず僕の判断」と栄強化本部長。続けて、「やはり登坂は強かった。そんな選手として戻ってきてほしい」。決断は、あふれる愛情があればこそだった。

 リオの地で栄光をつかんで以来、続く苦難。乗り越えた先できっと、もう一度、輝いてみせる。 (多園尚樹)

 

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