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【スポーツ】

30歳ルーキー、箱根路心待ち 実業団→教員免許取得へ入学

箱根駅伝に向け調整する渡辺和也=埼玉県坂戸市の東京国際大で

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 来年1月2、3日に行われる第94回東京箱根間往復大学駅伝(箱根駅伝)に出場する東京国際大には、異色の経歴を持つ1年生がエントリーされた。ことし7月に30歳の誕生日を迎えた渡辺和也。「箱根駅伝は日本の伝統だと思う。走れれば光栄なこと」。実業団時代に日の丸を背負ったこともあるオールドルーキーが、新たな舞台に挑む。

 10月に行われた箱根駅伝の予選会。渡辺はチームの一員として走り、本戦出場の最後の一枠となる予選10位での通過に貢献した。「今までにないぐらい叫んだ」と仲間と喜びを分かち合ってから2カ月。目前に迫った本番に向け、「シード権(総合10位以内)を目指しつつ、チャレンジャーとしてやっていけたらいい」と心境を語る。

 兵庫・報徳学園高では全国高校駅伝に出場し、2年時に3区5位、3年時には3区2位と好走した。大学進学も選択肢に入れたが思うように決まらず、「自分が早く強くなるには実業団かなとも思った」。卒業後に山陽特殊製鋼に入り、後に四国電力、日清食品グループへと移籍。2011年には日本選手権の5000メートルで優勝。日本代表として韓国・大邱で開かれた世界選手権に出場した。

 昨年にはセカンドキャリアの一環として指導者への道を目指すことを決意。「だいぶ年を取ったけど、自分としては遅くても問題ない」と教員免許の取得を目指し、東京国際大の社会人入試を受けて合格した。現在、箱根駅伝の出場に年齢制限はない。「日本の指導者になるには、箱根をじかに体験することにすごく価値がある」と新たな目標を定めた。

たすきを手に記念撮影に臨む渡辺

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 授業前に朝練習をこなし、講義を受けてから夕方に再び走る日々。「最初はみんなびびっていたと思う。なんか変なおっさんがきたぞって」。もちろん、チームは年下の先輩や同級生ばかり。しかし、関西出身で話し好きな性格を生かし、自然と打ち解けていった。経験も実績も群を抜くだけに、チームメートに助言を求められれば惜しまない。「アドバイスに応えた選手が自己ベストを出してくれた。それはうれしい」。自らの走りのみに集中していた実業団時代とは違った感触をかみしめる。

 大学生活で手応えが深まれば、さらなる競技続行も視野に入れている。「これから自分が上がっていく過程を見てほしい」。30代に突入しても、成長を続けていくつもりだ。 (磯部旭弘)

 

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