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【スポーツ】

木村、9回TKO初防衛 雑草魂ひたすら前へ

9回、木村翔(左)の右ストレートが五十嵐俊幸の顔面にヒットする

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◇ボクシング・トリプル世界戦 WBOフライ級 

 泥くさくてもいい。ひたすら前に出続け、パンチを繰り出した。9回。コーナーに追い詰め、左右の重いパンチを放つと、レフェリーが止めた。日本人対決らしい熱戦だった。「試される試合だった。勝ててホッとしている」。初防衛に成功した木村は安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 アマチュア経験がなく、デビュー戦黒星からはい上がった苦労人。自らを「雑草」と言う。対する五十嵐は2004年アテネ五輪代表から名門・帝拳ジム入り。元世界ボクシング評議会(WBC)フライ級王者のエリートボクサーだ。

 木村はどんな場面でも下がらなかった。「死に物狂いでようやく取ったベルト。誰にも渡したくない」。雑草魂の気迫が上回った。

 サウスポーで足を使う五十嵐対策として約300ラウンドのスパーリングをこなしてきた。多くの選手が100ラウンド前後で、木村の練習量は異例の多さ。持ち前のパワーを生かし、序盤から主導権を握る。中盤以降もプレッシャーをかけ続け、パワーで圧倒した。

 7月に五輪2大会金メダルの鄒市明(中国)を破る大金星で王座を奪取。中国での知名度は卓球の福原愛に次ぐという声もあるほどだ。「日本でも、もっと名前を上げたい」。注目度の高い大みそか決戦に挑んだ。

 「まだまだ強くなれる。もっと強くなって帰ってきたい」。初防衛を果たしても、慢心はない。雑草魂を胸に闘い続ける。 (森合正範)

<きむら・しょう> 13年4月プロデビュー。16年11月にWBOアジア・パシフィック・フライ級王座を獲得。17年7月に敵地中国で五輪2大会連続金メダルの鄒市明を11回TKOで破り、世界王座奪取。右ファイター。29歳。埼玉県出身。

 

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