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【スポーツ】

星野仙一さん死去 監督時代 先を見通した采配

 星野仙一氏は現役時代に「燃える男」、監督時代は「闘将」と呼ばれ、こわもてのイメージが先行した。選手に対しての指導は熱い。その一方で、グラウンドでの采配では、覚悟を決めた冷静な判断を下していた。

 阪神の監督として臨んだ2003年、ダイエーとの日本シリーズ。第2戦に先発し、四回途中でKOされた伊良部秀輝投手を、第6戦の先発に起用した。結果は先行を許して三回途中で降板。この日の敗戦が、日本一を逃す分水嶺(れい)となった。裏目に出た采配は「情に流された起用」と批判を受けた。しかし、監督に後悔は一切なかった。

 伊良部さんは2011年7月、米ロサンゼルスで死去。自殺とみられている。その1カ月ほど前、伊良部さんは星野さんに電話を入れていた。「どうしてあの時、僕を使ったんですか」と聞かれ、こう説明した。「ローテーション通りだ。(03年に13勝した)お前がいたから優勝して日本シリーズに出られた。特別な意図はないよ」

 ヤンキースなど米大リーグでも活躍した速球派右腕に懸けた。勝利を逃したが、「それで負けたら負けでいい」。腹を据えていた。

 「その瞬間、その瞬間は黒と出ても、長い間の自分の人生を見ると、黒は白に変わる」。情だけではない。どんな大一番でも目先の1勝にこだわらず先を見通していた。それを基本方針に据えていた。

 

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