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【スポーツ】

北勝富士 白鵬を圧倒

北勝富士(右)が押し出しで白鵬を破る

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◇大相撲初場所<3日目>

 2横綱が敗れる波乱。白鵬は平幕北勝富士に押し出され初黒星を喫した。北勝富士は1999年夏場所の土佐ノ海以来、昭和以降2人目の4場所連続の金星獲得で4個目。稀勢の里は平幕逸ノ城に寄り切られ2敗目となった。逸ノ城は5個目の金星。

 横綱鶴竜は嘉風を突き落として3連勝。両大関は豪栄道が琴奨菊をすくい投げで下し、高安は千代大龍を突き落とし、ともに全勝を守った。関脇は御嶽海が3連勝としたが、玉鷲は初黒星。

◆引く横綱を一気に押す

 大横綱に勝つにはどうするべきか。北勝富士は頭を絞っていた。「予想というか、理想通りの相撲がとれたんじゃないか」。思い描いた通りに事が運ぶ。白鵬に何もさせない会心の金星だった。

 立ち合いで頭から当たると少し左に動いた。ここ2回の対戦で、白鵬はいずれも変化するように得意の左上手を取りに来た。「それを今回はさせない」。左上手からまわしを遠ざける狙いが当たった。

 「取らせないように、差させないように、圧力をかけながら引かせる」。相手の狙いをかわしながら、低い姿勢でおっつける。横綱相手に簡単ではない作戦を完璧にこなし、後手に回った白鵬が引く瞬間を待っていた。「引いてくれたら人は軽くなる。どんなに重い人も」。あとは頭にあったイメージをなぞるだけ。一気に押し出した。

 昨年の名古屋場所で鶴竜に勝ち、秋場所で日馬富士、九州場所では稀勢の里に土をつけた。金星を重ね、先場所は11勝と着実に力をつける北勝富士を、白鵬は警戒していた。最初の立ち合いは白鵬がなかなか手をつかず、北勝富士が突っかける形に。「横綱もつくのかつかないのか、すごくじりじりしていた」。挑む立場ながら落ち着いていた。

 4場所連続の金星は1998年から99年にかけての土佐ノ海以来、昭和以降で最長記録。白鵬からは初めての金星となった。

 「大相撲の歴史を塗り替えた人。擦り切れるくらいビデオを見る」と笑みを浮かべたが、一方で「勝ち越さないと意味が無い。1勝2敗なので」。喜びながら現実を見る目を忘れない。策士らしい冷静さが、今場所の飛躍を予感させる。 (海老名徳馬)

◆白鵬「言葉はないね。完敗」

 一度も敗れたことがなかった北勝富士相手に良いところなく土俵を割った白鵬。3日目にして早くも土がつき、「言葉はないね。完敗」と潔かった。立ち合いでまわしを引けないどころか、圧力を受け腰が浮いた。苦し紛れの引き技を試みたが「ついて来られた」。墓穴を掘る格好となり、後退するだけで反撃する余地もなかった。

 初日の朝稽古で古傷の右足親指を痛めた。師匠の宮城野親方(元幕内竹葉山)によると、この日は腫れも引き、普段通りの稽古を再開したという。だが、結果はついてこなかった。「(北勝富士は)すべてがかみ合っていた。本当に良い相撲を取ったんじゃないかな」と白鵬。相手をたたえる言葉さえ口をついた。 (禰宜田功)

◆中途半端…稀勢2敗目

 前日は力のこもった相撲を見せた稀勢の里だが、この日はいいところなく逸ノ城に寄り切られ、黒星先行となる2敗目。支度部屋では「あーっ」とうなっただけで、報道陣の問い掛けには無言で引き揚げた。

 中途半端な立ち合いで相手得意の右四つを許し、左上手を引かれると簡単に土俵の外へと運ばれた。審判として土俵下で見届けた師匠の田子ノ浦親方(元幕内隆の鶴)は「押し込む感じじゃなく、ただ当たっただけ」と手厳しい。ただ、初日、2日目と復調を感じさせる相撲もあっただけに「良くはなってきてるんで。まだまだ」と弟子の思いを代弁した。

 

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