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【スポーツ】

栃ノ心 初Vぐいっ

栃ノ心(右)が寄り切りで逸ノ城を破る

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◇大相撲初場所<13日目>

 単独首位の栃ノ心が逸ノ城との平幕対決を寄り切りで制して1敗を守った。ただ一人2敗だった横綱鶴竜が関脇御嶽海に押し出されたため、栃ノ心は14日目に松鳳山を下せば初優勝が決まる。御嶽海は連敗を5で止め、勝ち越した。

 大関高安は荒鷲を突き出して10勝目。大関豪栄道は隠岐の海を寄り切って連敗を3で止め、7勝目を挙げた。

 1敗の栃ノ心を3敗で追う鶴竜と高安は14日目に対戦する。十両は英乃海と琴恵光が4敗でトップに並んだ。

◆きょう大一番「普通にやれば勝てる」

 1敗を守った取組後、栃ノ心は結びの一番を待たず、国技館を後にした。春日野部屋まで、約10分の道のりを歩いて帰る。単独トップになった12日目からは記者も同行するようになり、この日は10人以上に。その途中、付け人から鶴竜が敗れたことを知らされた。優勝争いについて「考えたくない」と繰り返し語っていたが、14日目にも初優勝が決まる状況となり、思わず「ふふふ」と笑みがこぼれ、足取りも軽くなった。

 逸ノ城との一番。立ち合いで左上手を奪い、がっぷり四つの形になった。古傷の右膝は最近にはないほど調子がいい。力勝負なら誰にも負けない自信がある。関取最重量215キロの相手をがぶり寄るように土俵際に追い詰め、寄り切った。「自分の相撲を取れて良かった」と栃ノ心。逸ノ城をして「パワーに負けた」と言わしめた。

 東欧のジョージア出身の30歳。柔道のジュニア大会で欧州王者になったこともある怪力の持ち主。2006年春場所で初土俵を踏んだ。だが当時、日本行きには家族の誰も賛成しなかった。母は涙を流し反対した。その母国にいる母が、12日目の取組後、テレビ電話の向こうで、うれし涙を流して喜んでいた。昨年11月には第1子が生まれたばかり。家族が心の支え。右膝の靱帯(じんたい)を断裂し一時、幕下まで番付を落とし、そこからはい上がった苦労人でもある。

 平幕優勝となれば12年夏場所の旭天鵬(現友綱親方)以来。ジョージア出身者としてはもちろん初めての快挙だ。松鳳山との大一番に向け「疲れは感じていない。普通にやれば勝てる」。自然と力が湧いてくる。 (禰宜田功)

 

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