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【スポーツ】

平昌に挑む 還暦守護神 競技救う パラアイスホッケー 福島忍(61)

強化合宿でパックに飛びつく福島。キャッチする技術の高さに定評がある=熊本市で

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 還暦を過ぎた守護神は4度目のパラリンピックに挑む。氷上の格闘技とも言われるパラアイスホッケーのゴールキーパー、福島忍(61)=静岡県藤枝市=は、平昌大会に出場する8カ国のパラアイスホッケー選手の中では最年長。過去3回は控えで出番は少なかったが、今回は主力としてメダル獲得に闘志を燃やす。

 2月に熊本市であった日本代表の合宿で、スケートリンクに福島の声が響いた。「あー、くそー」。シュート練習でゴールを決められると悔しさをあらわにし、自らを奮い立たせた。

 会社員だった24歳の時、バイクで車と衝突。脊髄を損傷し、下半身が不自由になった。幼少期から体を動かすことが好きで、事故後も車いすバスケットボール、テニスなどを経験した。

 パラアイスホッケーとの出合いは1996年。2年後に迫った長野大会に向け、代表を目指す選手の公募があり、「挑戦したい」と手を挙げた。この時は選ばれなかったが、「楽しくてやめたくない」と競技を続けた。

 2002年の米国・ソルトレークシティー大会から3大会連続で出場。10年カナダ・バンクーバー大会で銀メダルを獲得。一転、日本は前回のロシア・ソチ大会への出場を逃した。

 16年の世界選手権を終え、「若手に出場機会を譲ろう」と引退を考えた。しかし、国内の競技人口は右肩下がりで今は約30人しかいない上、バンクーバー大会まで正ゴールキーパーだった選手も引退していた。「平昌を逃すと、日本パラアイスホッケー協会すらも無くなるかもしれない。国内で競技を消滅させたくない」。危機感から現役続行を決めた。

 17年10月、平昌大会の出場を懸けた最終予選があり、福島は全4試合に出場した。「何が何でも予選突破だ」。チームの士気も高く、初戦から3連勝して出場権を獲得した。

 平昌では表彰台を目指す。「結果を残せば、競技人口が増えるきっかけになる」。競技の行く末を占う戦いと位置付け、全力で挑んでいく。 (田井勇輝)

 

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