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【スポーツ】

高木美が総合V、新女王 スピードスケート世界選手権

日本選手として初の総合優勝を決め、イレイン・ブスト(左)に祝福される高木美帆=アムステルダムで(共同)

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 【アムステルダム=共同】世界選手権第2日は10日、当地の屋外特設リンクで行われ、女子の後半2種目で高木美帆(日体大助手)が前日からの首位を守り抜き、166・905点で日本選手として初の総合優勝を果たした。イレイン・ブスト(オランダ)が2位だった。

 高木美は2レースともブストと同走。1500メートルは相手の猛追を0秒07差で振り切り、1分58秒82の1位。11秒61のリードで迎えた最終5000メートルでブストと3秒08差の4位と踏ん張った。菊池彩花(富士急)は総合7位だった。

 男子は1800年代から行われている伝統の大会で、欧米勢以外の総合優勝は初。日本は女子の橋本聖子が1990年に、男子の白幡圭史が95、97年に2位となったのが最高だった。

◆強敵と直接対決で完勝

 暗い空に照明が輝く夜の屋外スタジアム。地元のエース、ブストの逆転劇を期待した大観衆の熱狂は、東洋の新女王への喝采に変わっていった。11秒61のリードで最終の5000メートルに臨んだ高木美は、強敵の背中が「意外と近いな」と序盤で歴史的な戴冠を確信した。3種目目までのリードを悠々と守り、欧米以外の選手で初めて「クイーン・オブ・スケート」の称号を手にした。

 前日からの4レースで、主導権を一度も譲らなかった。第2日最初の1500メートルも闘志をむき出しに1位。同走のブストを最初の300メートルで0秒33リードしたが、1周ごとに差を0秒19、0秒15と縮められ、同じ展開で逆転された昨年の苦い記憶が頭をよぎった。「絶対に脚を止めない」。気温が上がって氷が緩み、進みづらい中でスパート。互いにスケート靴を突き出した接戦を、わずか0秒07差で制した。

 昨年、9秒28の大差で敗れた5000メートルも食い下がった。大敗しなければよい状況で、まずは「省エネでリズムを刻むことだけ考えた」と落ち着いて入り33秒台、34秒台、34秒台と、相手と同じラップタイムを重ねた。「これはいける。あとは転ばないことだけ」。完勝だった。

 照明を落とし、ステージだけが照らされた表彰式。オランダ勢を両脇に従えて、真ん中でほほ笑んだ。本場では五輪に引けを取らない価値のあるタイトルを、この競技では異例となる約2万5000人の観客の前でつかんだ。「ずっと記憶に残ると思う」。高木美の時代が華やかに幕を開けた。 (共同)

 

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