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【スポーツ】

遠藤勝ち越し 新三役確実

遠藤(右)は千代丸を引き落としで破る

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◇大相撲春場所<13日目>

 単独トップの横綱鶴竜はただ一人2敗で追っていた平幕魁聖を難なくはたき込み、1敗を守った。鶴竜が14日目の大関豪栄道戦に勝つか、3敗の大関高安、平幕の魁聖と勢がそろって敗れれば千秋楽を待たずに4度目の優勝が決まる。

 3敗同士の大関対決は高安が豪栄道をはたき込んだ。関脇御嶽海は連敗を5で止めて6勝目を挙げ、先場所優勝の関脇栃ノ心は5敗目。東前頭筆頭の遠藤が勝ち越し、新三役昇進を確実とした。

 十両は佐田の海が3敗で単独首位に立った。

◆奪えぬまわし 機転、突き押し

 三役にもっとも近い東前頭筆頭で、遠藤が勝ち越しを決めた。前頭筆頭だけでも4度目。これまでことごとくチャンスを逃してきた三役昇進へ大きく前進した。「目の前の相撲にしっかり集中してやった結果」。じっと目をつむり、淡々と意義のある白星を振り返った。

 この日の朝稽古では、右で前みつを奪い、左は差して、頭をつけて前に出る動きを繰り返した。前日に大関高安を立ち合いで圧倒した千代丸の圧力を消すための戦略。だが本場所の土俵では、その通りにはならなかった。3度ほど前みつに右手がかかったが、その都度、切られた。

 ただ、思い通りにならない時に臨機応変に対応できるのが、相撲センスあふれるこの力士の持ち味でもある。まわしが奪えないとなると突き押しに切り替え、土俵際まで追い詰めたところで、タイミング良く引き落とした。

 幕下10枚目格付け出しでデビューし、わずか1年で今場所と同じ東前頭筆頭まで駆け上がったが、3年前の同じ大阪で左膝に大けがを負った。その後はけがとの戦い。十両陥落の憂き目にもあった。師匠の追手風親方(元幕内大翔山)は「けがして、ちょっと良くなって、また悪くなるの繰り返し」と振り返る。

 苦しい土俵が続く中で、昨夏に左足首の手術に踏み切ってから、流れは変わった。痛みの不安が減り、けがとの付き合い方も分かってきた。手術してからは、今場所で4場所連続の勝ち越しだ。

 取組後の支度部屋で遠藤は「いつもの勝ち越しと一緒」「また明日があるんで、しっかり集中してやるだけです」などと、普段通り小さな声でひと言、ふた言、そっけなく質問に答えただけ。だが報道陣の輪が解けた後、髪を直してもらった床山と言葉を交わすと表情がゆるんだ。ほっとしたような、さわやかな笑みを浮かべた。 (平松功嗣)

 

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