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【スポーツ】

鶴竜8場所ぶり優勝 一人横綱の重責、けがに打ち勝つ

鶴竜(右)は豪栄道をはたき込みで下し、優勝を決める

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◇大相撲春場所<14日目>

 単独トップの一人横綱鶴竜が大関豪栄道をはたき込んで1敗を守り千秋楽を待たずに4度目の優勝を決めた。2016年九州場所以来8場所ぶり。豪栄道は5敗目を喫した。

 大関高安は関脇御嶽海を突き落として11勝目を挙げた。御嶽海は関脇昇進後初の負け越しが決まった。先場所優勝の関脇栃ノ心と小結逸ノ城は9勝目。平幕の魁聖、勢は勝って11勝3敗とした。

 十両は佐田の海ら3人が4敗で首位に並んだ。

 褒められた内容ではなかった。「最悪ですね」と自嘲したほどだったが、鶴竜は感極まった。「何が何でも(優勝する)という気持ちだった」。最優先したのは横綱らしさではない。勝利に徹し、優勝という結果で復活を印象づけた。

 立ち合いで前みつをうかがったが、豪栄道の出足に阻まれると、悪癖の引き技で墓穴を掘りかけた。それでも後退しながら素早く土俵際で回り込み、右足1本で何とか踏みとどまる。徳俵で際どくはたき込み「(大一番で)いつもより落ち着いていなかった」と苦笑いした。

 昨年は苦しんだ。腰や右足首など慢性的な故障に悩まされ、夏場所から4場所連続休場を余儀なくされた。元横綱日馬富士による貴ノ岩への傷害事件では、酒席に同席しながら暴行を止められなかったとして今年1月は給与不支給の処分を受けた。

 進退を懸けて臨んだ先場所も、初日から10連勝しながら左足首の古傷が痛み、11日目から4連敗。千秋楽では右手の指3本を脱臼した。師匠の井筒親方(元関脇逆鉾)は「(今場所も)正直、休場を考えました」と振り返り、「ここまでできると思わなかった」とも語った。

 13勝の決まり手を見ると、はたき込みが6勝と最も多い。理想の相撲が取れなくても、持ち前の俊敏さを武器に勝ち星を拾ってきた。八角理事長(元横綱北勝海)は「横綱の責任は果たした。よくやった。苦労したかいがあった」とたたえた。

 昨年5月に誕生した第2子となる長男には、これまで賜杯を抱く姿を見せられなかったが、「これで一緒に(記念の)写真を撮れる」と鶴竜は目を細めた。白鵬と稀勢の里が休場する中、一人横綱の重責とけがの不安に打ち勝っての優勝。「自分に負けたくない」の一念で、折れかけた心を奮い立たせてきた32歳は「諦めずチャレンジしようとした気持ちが正解だった」と言い切った。 (禰宜田功)

 

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