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【スポーツ】

求心力低下止まらず ハリル監督電撃解任

2017年8月、サッカーW杯アジア最終予選でオーストラリアを破り、本大会出場を決め喜ぶハリルホジッチ監督(右)=埼玉スタジアムで

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 日本サッカー協会は、日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督(65)の解任を決めた。ワールドカップ(W杯)出場決定後に日本代表監督が解任されるのは初めて。6大会連続6度目の出場となるW杯ロシア大会開幕が6月に迫る中での電撃解任となった。

 日本サッカー協会がW杯ロシア大会開幕まで2カ月近くに迫った段階で、日本代表・ハリルホジッチ監督の解任に踏み切ったことは、遅きに失した感が否めない。1次リーグ初戦のコロンビア戦まで強化に充てられる実戦はわずか3試合。新体制が抜本的なチームづくりに着手する準備期間はなく、ただでさえ劣勢が予想される大舞台へ向け、険しさは一層増した。

 先月の欧州遠征。W杯出場を逃したマリ、ウクライナに対し1分け1敗と結果を残せず、内容にも疑問符が付いた。主将の長谷部(アイントラハト・フランクフルト)は敗れたウクライナ戦を終え「良かった点を探し出すことは難しい」と漏らした。W杯まで時間的猶予がない中で、依然としてメンバー選考の方針を色濃く打ち出し、肝心のチームの完成度を高める姿勢は希薄に映った。

 ハリルホジッチ監督は、時に中盤での組み立てを省いてでも速く縦にボールを入れる戦術を説いた。一方、選手は近年の日本が志向してきた中盤でパスをつないでリズムをつくりながら相手の守備網を崩すサッカーを望んだ。欧州遠征でもベンチとピッチの間に意思の相違が見え隠れ。監督と選手が、それぞれ思い描くスタイルの溝は埋まらず、指揮官の求心力低下は以前から指摘されてきた。

 電撃解任を低迷する状況を打破する「起爆剤」と捉える見方もあるかもしれないが、それだけで勝てるようになるほどW杯は甘くない。監督の手腕に限らず、W杯ロシア大会へ向けて日本協会がいかに明確なビジョンを持ち合わせていなかったかを露呈する解任劇ともいえる。 (磯谷佳宏)

 

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