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【スポーツ】

川内、雨風味方に大逆転 ボストン・マラソンV

ゴールする男子優勝の川内優輝=ボストンで(ロイター・共同)

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 【ボストン=共同】第122回ボストン・マラソンは16日、当地で行われ、男子は川内優輝(埼玉県庁)が2時間15分58秒で初優勝した。日本勢の優勝は1987年大会の瀬古利彦以来8人目で、9度目の快挙。2006年にスタートした世界最高峰シリーズ「ワールド・マラソン・メジャーズ」(WMM)で日本勢初制覇となった。

 昨年の世界選手権覇者で大会2連覇を狙ったジョフリー・キルイ(ケニア)は2時間18分23秒で2位。

 女子はデジレー・リンデン(米国)が2時間39分54秒で初制覇し、吉冨博子(メモリード)が2時間48分29秒で10位。車いす男子で副島正純(ソシオSOEJIMA)が4位に入った。

◆40キロすぎ 王者キルイ置き去り

 雨に打たれ、風で体を揺さぶられても川内は前だけを見つめて走り続けた。40キロを過ぎて急に脚が止まった世界王者キルイを抜いてもトップの確信はなかったという。最後の直線で歓声に包まれてテープを切ると、驚きの表情で目を見開いた。

 大逆転のレースで自身が生まれた1987年の瀬古以来の日本人王者に輝き、君が代を聞いた。「自分が勝つためのコンディションだった。陸上を26年やってきて一番幸せな日」と喜びをかみしめた。

 スタート時の気温は3・3度。体感はさらに低かった。スピードでは劣っても悪条件での我慢比べは得意。スタート直後の急な下りで独走し、ペースをつくった。「スローだと誰が勝つか分からない。早い段階で集団を絞りたかった」。圧倒的な経験に基づく、明確な狙いがあった。

 25キロ付近でキルイがスパートをかけたが、その動きを逃さずに追った。終盤の「心臓破りの丘」と言われる坂も乗り切り、35キロで1分31秒あったキルイとの差をじわじわ詰め、大逆転につなげた。

 昨年12月にコースを試走し、大会前にも後半の下見を繰り返した。周到な準備と「私にとっては最高のコンディション」を生かし、世界を驚かせた。公務員として働きながら戦う異色のランナーは「僕が勝つと思っていた人は一人もいなかったと思う。マラソンは何が起こるか分からないことを証明できた」と胸を張った。 (共同)

 

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