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【スポーツ】

初出場素根、17歳女王 柔道全日本女子

決勝で冨田若春(右)を破り、史上初の初出場優勝を果たした素根輝=横浜文化体育館で

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 体重無差別で争う全日本女子選手権(東京新聞など後援)は22日、世界選手権(9月・バクー)女子78キロ超級代表最終選考会を兼ねて横浜文化体育館で行われ、17歳の素根輝(そね・あきら=福岡・南筑高)が決勝で冨田若春(コマツ)を退け、史上初の初出場優勝を果たした。17歳9カ月での優勝は、1993年に16歳11カ月で制した五輪女王の阿武(あんの)教子に次いで史上2番目の若さ。

 素根は準決勝で2連覇を狙った21歳の朝比奈沙羅(パーク24)に延長の末、反則勝ち。冨田との決勝も延長で制した。だが国際大会での実績不足などを理由に世界選手権の個人代表を外れ、男女混合団体戦メンバーにとどまった。

 朝比奈と井上舞子(淑徳大)が3位。2大会連続で準優勝の田知本愛(ALSOK)は左膝を痛め、3回戦を棄権した。

 今大会から試合時間を5分から4分に短縮し、「指導」による決着も廃止。「有効」を残す以外は、国際柔道連盟(IJF)のルールに沿って行われた。

◆24年ぶり高校生頂点

 柔道界に新風が吹いた。延長で指導三つを奪い、優勝が決まると、17歳のほおが緩む。2週間前の全日本選抜体重別を制した直後はうれし泣き。この日ははじけるような笑顔だった。「実感がなくて、本当に優勝したのかな」。素根は持ち前の攻め続ける柔道で初出場初優勝を飾った。高校生女王は1993年から4連覇した阿武教子以来24年ぶりの誕生だ。

 準決勝の朝比奈戦が事実上の決勝戦。残り35秒で払い巻き込みを浴び、一時は有効となったが、技は不十分で取り消しに。「一瞬、焦った。あとはガンガン攻めるだけ」。延長戦で立て続けに担ぎ技を繰り出し、三つ目の指導を奪った。2週間前に続き、朝比奈を連破。「少しは追いついてきた」とはにかんだ。

 準決勝、決勝と延長戦に入ると、対戦相手が失速するのとは対照的に、がぜんエンジンがかかる。強靱(きょうじん)なスタミナを武器に攻撃柔道を貫く。

 その源となっているのは「誰にも負けない」という練習量。授業前に1時間、部活動は2時間以上、帰宅後も自宅のトレーニングルームで2時間は汗を流す。「納得するまでやる。試合直前は『もう、やめとけ』と言われることもあるくらい」。流した汗の量が自信となっている。

 体重はこの1年で15キロ増え、110キロに。「組み負けないパワーもついてきた」。とはいえ、78キロ超級としては小柄な身長162センチ。「これからはもっと技をかけきること。負けない組み手で世界一を目指したい」。2年後の東京五輪へ、今が伸び盛りの高校3年生。小さな体には大きな可能性がぎっしり詰まっている。 (森合正範)

<そね・あきら> 4月の全日本選抜体重別選手権女子78キロ超級で2連覇を達成。昨年は世界選手権混合団体戦メンバーで優勝。世界ジュニア選手権も制し、金鷲旗高校大会では決勝で男女を通じて史上初の5人抜きを果たした。得意は体落とし、大内刈り。福岡・南筑高3年。162センチ、110キロ。17歳。福岡県久留米市出身。

 

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