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【スポーツ】

<取材ノート>再起松坂に「ありがとう」 元ドラ1球団広報 

松坂(中)をサポートする赤坂和幸さん(左)=30日、ナゴヤドームで

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 怪物の国内12年ぶりの勝利を感慨深く見つめていた。今季から球団広報を務める中日OB赤坂和幸さん(28)。松坂大輔投手の「担当広報」として復活の道のりを目にしてきた。

 2月の沖縄キャンプ。松坂にサインを求めるファンに赤坂さんももまれる日々だった。対応に悩んでいると「お客さんが危険だから」と、時間を取ってサイン会を行うことを本人が提案してくれた。

 予定は30分。途切れない列に目をやりつつ、耳元で「そろそろです」と告げると、返事は「大丈夫。あと10分」。50分に及ぶ日もあった。「お客さんが自分を見にきた、と分かっている」とプロ意識の高さを感じた。

 ただ、野球に関しては周囲に流されなかった。米国流に、投手で唯一キャッチボールすらしない日もあった。そんな時、更衣に使うプレハブ小屋をのぞくとゴムチューブを引いてトレーニングにいそしんでいた。「リハビリでの努力があったからこそ、ここまで来られた。投手は野手以上にごまかしがきかないから」

 赤坂さんも2008年に高校生ドラフト1巡目で投手として中日入り。野手転向後、15年に7年ぶりの1軍戦復帰を果たした経験があるからこそ再起への闘いに共感する。

 先発3戦目で白星を手にした松坂の姿を目にして思い出すのは、昨季終了後、球団からの戦力外通告を妻に伝えた日のこと。「応援できて楽しかった。ありがとう」と言われ、はっとした。

 「今はただ、元気な姿を見せてくれた松坂さんに『ありがとう』と言いたい」。「平成の怪物」の復活劇に胸を熱くしたファンの思いも同じだろう。 (浅井貴司)

 

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