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【スポーツ】

内村 復権の10連覇 体操NHK杯

男子個人総合優勝した内村航平の鉄棒=東京体育館で

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 世界選手権(10〜11月・ドーハ)代表選考会を兼ねたNHK杯最終日は20日、東京体育館で男子個人総合が行われ、4月の全日本選手権で3位だった29歳の内村航平(リンガーハット)が合計258・629点で10連覇し、0・734点差で2位の白井健三(日体大)とともに上位2人の代表入りを決めた。

 全日本の得点を持ち点に争われ、五輪2連覇の内村は首位の谷川翔(順大)と0・564点差の3位で迎えた最終種目の鉄棒で着地を止め、同種目トップの14・966点をマークして逆転した。萱和磨(順大)が3位に入り、全日本で史上最年少優勝を果たした19歳の谷川翔は鉄棒で落下して4位に終わった。

 世界選手権で団体総合3位までの2020年東京五輪出場枠獲得を目指す代表は5人。3人目はNHK杯で5位以内、4人目は12位以内が条件となり、全日本種目別選手権(6〜7月・高崎アリーナ)などの結果も踏まえ、団体で貢献度が高く、種目別でメダルを狙える3人を選考する。

◆「まだまだ譲れない」

 マットに降り立った両足が少しも動くことなく、貫禄の演技に終止符を打った。拍手と歓声を浴びながら、最後の鉄棒を終えた内村が両拳を握り締める。「こういう舞台で自分の体操を見せられる喜び。やっぱり自分は幸せ者ですね」。復権の王者が心地よさそうに振り返った。

 連覇が途切れた4月の全日本選手権から3週間。全盛期をほうふつとさせる美しい着地で、全日本覇者の谷川翔と約0・8点あった持ち点の差をひっくり返した。出だしの床運動。最後の後方伸身宙返り3回ひねりで、乱れなく着地を止めた。「あれでスイッチが入った」。佐藤寛朗コーチの言葉通り、以降はどの種目も失敗の気配がなかった。

 5種目を終えて首位の谷川翔との差は0・564点。迎えた鉄棒はG難度のカッシーナなどバーから手を離す技を難なくこなし、着地も完璧に止めた。「これで(代表に入る)2位以内じゃなかったらありえない」。14・966点の高得点。後に演技する10歳下の谷川翔に重圧をかけるには十分だった。

 覇権を失った全日本から徹底的に着地を追求してきた。6種目の通し練習で29歳の肉体を追い込んだ後、さらに個々の技の着地を丹念に確かめた。間近で見ていた佐藤コーチは「練習通りやれば逆転できる」と自信を深めていた。

 この日出した86・965点は、昨秋の世界選手権の個人総合を制した中国選手が決勝で出した86・933点を上回った。単純比較はできないが、依然として世界屈指のオールラウンダーであることを証明した。「まだまだ譲れない部分がある」。意地と底力を示した逆転劇だった。(佐藤航)

◆白井「シナリオ通り」 鉄棒冷静 完璧に

 5種目を終えて白井は2番手。最後の鉄棒の実力を考えれば、3番手の内村には抜かれ、トップの谷川翔には追いつけない可能性が高かった。その上、先に演技した内村が優勝を決定付ける演技を見せ、会場が大きく沸く。

 だが白井は冷静だった。「航平さんの鳥肌立つ演技を見てから、やるんだろうな」と思っていただけに「シナリオ通り」。自らも自信を持って鉄棒に臨んでほぼ完璧な演技を披露し、日本代表の座を死守。団体戦もある世界選手権へ「航平さんにいつまでも期待するのは失礼。少しでも負担を減らしたい」。エースとしての自覚を胸に活躍を誓った。

 

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