東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > スポーツ > 紙面から > 5月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【スポーツ】

栃ノ心 大関確実 26戦目 白鵬に悲願の初勝利

◇大相撲夏場所<12日目>

 関脇栃ノ心は横綱白鵬を力強く寄り切って初日から12連勝とし、単独首位を守るとともに場所後の大関昇進を確実とした。欧州出身の大関は琴欧洲(ブルガリア)把瑠都(エストニア)に次いで3人目、ジョージア出身では初となる。白鵬は2敗目。

 横綱鶴竜は平幕の勢を押し出し、1敗をキープした。関脇逸ノ城と小結御嶽海はともに5敗目。

 全勝の栃ノ心を1差で鶴竜が続き、2敗で白鵬が追う展開となった。十両は琴恵光が2敗で単独トップに立った。

      ◇

 大関の地位をほぼ手中に収めた栃ノ心は気持ちよさそうに振り返った。「がっちりつかんだのでね」。白鵬と互いに十分の右四つでがっぷり組み合った。左上手と右下手。まわしを離すまいと力を込めた両腕に、ほぼ10年分の思いがこもっていた。

 過去25戦して全敗。絶対の自信を持つ左上手をつかんでも勝てない。朝稽古の後には「上手をいつも切られちゃう。めっちゃ速い」とこぼした。相手の力を吸収する柔らかさとまわしを切る技術を併せ持つ横綱に屈してきた。

 立ち合い。すぐにつかんだ左上手に手応えがあった。「浅めだった。切りづらいでしょう。奥だとぱっと切られる」。前まわしに近い部分をつかんだ分だけ余裕が生まれ、力が入った。両まわしを引きつけ、粘る横綱を3度、4度と攻め立てて寄り切った。

 挑み続けてきた壁を越えた。テレビのインタビューでは目を潤ませ、支度部屋では「最高でした。一番うれしい」と喜びをあふれさせた。

 これで平幕で初優勝した初場所を含め3場所計36勝。三役での大関昇進の目安とされる33勝もはるかに超えた。さらにどうしても勝てなかった白鵬を力でねじ伏せた。番付編成を担う審判部の阿武松部長(元関脇益荒雄)は「すごく見応えのある相撲。大きな大きな一番を上積みした」。誰が見ても大関に値する力があると、はっきりと証明する勝利となった。

 全勝で優勝争いを引っ張る。栃ノ心は「あと3日しかない。明日から気合を入れて」と気を緩めない。いまは「勝つイメージしかない」。大関昇進という大きな目標をがっちりとつかみ、もう片方の腕は2度目の賜杯に伸ばそうとしている。 (海老名徳馬)

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報