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【スポーツ】

井上尚、圧巻3階級制覇 1回TKO まるで重量級

井上尚弥−ジェイミー・マクドネル 1回、ジェイミー・マクドネル(左)を攻める井上尚弥=大田区総合体育館で

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 ダブル世界戦各12回戦が25日、東京・大田区総合体育館で行われ、世界ボクシング協会(WBA)バンタム級では同級2位の井上尚弥(大橋)が、6度目の防衛を狙った王者ジェイミー・マクドネル(英国)に1回1分52秒TKO勝ちし、日本人5人目、同最速16戦目での世界3階級制覇を果たした。25歳の井上尚は16戦全勝(14KO)。マクドネルは34戦29勝(13KO)3敗1分け1無判定試合。

 世界ボクシング評議会(WBC)ライトフライ級では、26歳の拳四朗(BMB)が同級1位ガニガン・ロペス(メキシコ)に2回1分58秒でKO勝ちし、3度目の王座防衛に成功した。戦績は13戦全勝(7KO)。

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 わずか1分52秒。どう猛なヘビー級のような試合だった。圧巻のTKOで3階級制覇を成し遂げた井上尚は「皆さん、これがボクシングです。『早すぎる』というクレームは勘弁してください」と、さらりと言ってのけた。

 相手は身長で10センチ、リーチで11センチ上回る。しかも、王者は計量後からの約30時間で12キロリバウンドし、井上尚の59・5キロに対して、マクドネルは65・3キロ。向かい合った両者の体格差は歴然だった。

 だが、井上尚には一切関係ない。強引に踏み込んで懐に入る。離れたと思ったら、荒々しい顔面への右フックから左ボディーでダウンを奪った。立ってきた相手をロープに詰め、大振りの左右フック。連打が止まらない。「これでもか」と13発。急所を捉えたパンチはない。圧力とパワー、力ずくでキャンバスに沈めた。重量級の倒し方だった。

 1階級上げ、これがバンタム級初戦。スーパーフライ級からは、たかが1・4キロ。井上尚にとってはされど1・4キロだった。「これまで減量段階で筋肉が削られることもあった」。スピードを落とさず、本来のパワーを発揮できた。

 紙一重の戦いとなる世界戦で11戦全勝10KO。強すぎるがゆえにスーパーフライ級では他団体の王者から対戦を回避されてきた。バンタム級では団体の枠を超え、世界王者が集うトーナメントが予定されている。「もちろん出ます」。井上尚の強さは群を抜いている。はたして他の世界王者でも相手が務まるのだろうか。 (森合正範)

<いのうえ・なおや> 2012年10月プロデビュー。13年8月に田口良一を3−0の判定で破って日本ライトフライ級王座獲得。14年4月に6戦目でWBC同級王座に就き、12月にはWBOスーパーフライ級王者となり8戦目で2階級制覇。17年12月に7度目の防衛に成功した後、王座を返上した。右ボクサーファイター。165.2センチ。25歳。神奈川県出身。

 

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