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【スポーツ】

栃ノ心、自慢の怪力 もろ刃の剣 終盤に強引さを露呈

大関昇進が決定的となり、ガッツポーズを見せる関脇栃ノ心=東京都墨田区の春日野部屋で

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 夏場所千秋楽の27日、三賞選考委員会で栃ノ心を技能賞に推した阿武松審判部長(元関脇益荒雄)が力を込めた。「あの四つ身で白鵬を倒せる力士はいない」。過去25戦全敗だった白鵬を倒した12日目の一番は、互いに十分の右四つでがっぷり組んで寄りきった。28日の会見で栃ノ心は「今場所は誰でも勝てるイメージしかなかったんで。それが良かった」とその大一番を振り返った。

 左上手を引けば負けない。力強さを利した右四つは昔からの武器。ただかつては怪力だけに頼ってムラが大きく、成績が安定しなかった。むちゃな投げやつりはけがとも隣り合わせ。だが初優勝した今年の初場所は、取り口に深みが出た。突っ張って相手の体を起こしてから、有利な体勢でまわしをつかむ展開が増え、安定感が出た。そこから「誰でも勝てる」というイメージを築いていった。

 夏場所2日目の阿炎戦は、相手の得意な突っ張りに応戦して前に出た。攻防の中で確実に相手を捕まえ、万全の形を整えて寄り切り。「突っ張ることで自分の形になりやすくなる」と八角理事長(元横綱北勝海)をうならせた。

 一方で、夏場所終盤は強引な相撲が顔をのぞかせた。13日目の正代戦は、無理に突き押しで出たところを引き落とされ、土俵についた右手を負傷。翌日も鶴竜にいい形を作られると、無理やり投げを打ったところを崩された。

 白鵬戦で大関昇進を決定的にした後で、優勝も意識し始めて重圧のかかる場面。あわてて力に頼ったり、強引に攻めたりするかつての相撲が顔を出した。そういう相撲は、けがの可能性も常につきまとう。

 大関は常に優勝争いを期待される。栃ノ心は「(昇進は)うれしいけど、自分の中ではもっと頑張らないといけないと思っている」。どんな場面でも落ち着いた相撲で強さを見せられるか。昇進してからの活躍も「心の強さ」が鍵を握る。 (海老名徳馬)

 

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