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【スポーツ】

渡利、闘病から復帰V レスリング全日本選抜・女子68キロ級

女子68キロ級決勝関千晶(左)を破り優勝した渡利璃穏=駒沢体育館で

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 世界選手権(10月・ブダペスト)代表選考会を兼ねた全日本選抜選手権第3日は16日、東京・駒沢体育館で男女計8階級が行われ、女子68キロ級は悪性リンパ腫による闘病からの復帰戦となった2016年リオデジャネイロ五輪75キロ級代表の渡利璃穏(アイシンAW)が優勝した。昨年の全日本選手権女王の土性沙羅(東新住建)が左肩を手術してプレーオフを欠場するため、代表入りが決まった。

 男子グレコローマンスタイル55キロ級は田野倉翔太(東京・自由ケ丘学園高教)、67キロ級は下山田培(警視庁)、77キロ級は屋比久翔平、女子57キロ級は坂上嘉津季(ともにALSOK)が全日本選手権に続いて制し、日本協会の選考基準を満たし代表入りを果たした。

 男子フリースタイル74キロ級は保坂健、97キロ級は赤熊猶弥(ともに自衛隊)、女子62キロ級は川井友香子(至学館大)が勝ち、7月に全日本選手権覇者と世界選手権代表を争うプレーオフに臨む。

◆残り8秒執念

 執念だった。残り8秒。女子68キロ級決勝で渡利は重心の低いタックルで片脚を取り、関(警視庁)を場外に押し出した。3−2として相手の猛攻を必死の形相でしのぎ、悪性リンパ腫を乗り越えて復帰戦を飾ると「この試合に出るために練習してきた。どんなに調子が悪くても自分の力を試したかった」と涙ぐんだ。

 2016年リオデジャネイロ五輪以来1年10カ月ぶりの実戦。初戦の準決勝では「緊張を通り越して、震えるぐらい」。決勝でも動きが硬く、残り24秒で2−2に追い付かれた。ラストポイントを奪われたため、同点で終わると内容で敗れる窮地だったが「絶対に勝ってやるという強い思いで臨んだ」となりふり構わぬ攻めが最後に実った。

 リオ五輪前の検査で異常がみられ、五輪後に悪性リンパ腫と判明。抗がん剤や放射線による治療を受けた。昨秋からウオーキングなど軽い運動を始め、1月からスパーリングを再開。「本当にレスリングに戻れるのか」と不安と闘いながら地道に心技体を戻してきた。

 支えてきたのは五輪への強い思い。リオ五輪の女子6階級で日本がメダルを逃したのは渡利が挑んだ75キロ級だけだった。「メダルを取りたいという一心で、ここまでやってきた」。世界選手権は雪辱への第一歩となる。

 

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