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【スポーツ】

横綱ワースト8場所連続 稀勢休場「来場所に全てを」

厳しい表情で稽古する稀勢の里=名古屋市西区の田子ノ浦部屋宿舎で

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 横綱稀勢の里が5日、名古屋場所(8日初日、ドルフィンズアリーナ、中日新聞社=東京新聞=共催)を左大胸筋のけがのため休場すると表明した。この日の朝稽古後、名古屋市の田子ノ浦部屋宿舎で「必死に調整してきたがうまく進まず、今場所の休場を決めた。来場所に全てをかけるつもりで頑張りたい」と語った。

 横綱の8場所連続休場は、年6場所制となった1958年以降では7場所連続で全休した貴乃花を抜いて最長記録。次に出る場所では進退問題に直面しそうだ。稀勢の里は「そういう(進退がかかるという)気持ちで今場所に向けてもやってきた」と覚悟を口にした。

 師匠の田子ノ浦親方(元幕内隆の鶴)は「次の場所に向けてもう一回チャンスをいただきたい。痛みも少しあるがだいぶ良くなっている。本人が納得する相撲を取らせたい」と沈痛な面持ちで語った。横綱審議委員会(横審)の北村正任委員長(毎日新聞社名誉顧問)は「残念だが万全ではないと判断したのだからやむを得ない。来場所に全てをかけるという本人の決意を尊重したい」とコメントした。夏場所後の横審では、稀勢の里の名古屋場所への出場を求めていなかった。

 稀勢の里は昨年1月の初場所後に日本出身者として19年ぶりの新横綱となったが、連続優勝した春場所で左上腕などを負傷して以降、故障が続いた。

◆復活手応え 今後へ決意

 稀勢の里は横綱としての連続休場記録を更新し、不名誉な形で歴史に名を刻んだ。武蔵川親方(元横綱武蔵丸)が「けがをした直後から、初日から休場してちゃんと治していれば良かった」と疑問視したように、出場しては途中休場を繰り返した当初の対応が復活を遠ざけた。

 休場8場所中4場所が途中休場。無理に出場してはファンを落胆させた。それを止められなかった周囲の責任も小さくはない。「気持ちと体が一つにならないと前に進めない。ファンのためにではなく自分のために頑張ってほしい」と武蔵川親方は横綱経験者としてエールを送る。

 ただ先場所までと違うのは、稀勢の里本人が「だいぶ名古屋でつかめた。感覚的に全然違う。何とか復活したい」と手応えを口にしたこと。名古屋入り後の出稽古で、約1年4カ月ぶりに横綱白鵬との三番稽古も行った。結果は2勝8敗だったが、何度も転がされながらも必死に食らい付き、「目覚めた感じ」と語った。それでも休場を選んだことに今後への決意がにじむ。

 新弟子時代から見てきた兄弟子の西岩親方(元関脇若の里)は「100パーセントではなく120パーセントを目指し、状態を上げて出場してほしい。亡くなった先代師匠(鳴戸親方=元横綱隆の里)が稽古場にいると思って泥だらけになって初心に戻って」と期待した。

 今後は、名古屋にとどまり宿舎で大関高安や若い衆と稽古を積む。横綱としてのプライドを捨てて稽古できるか。泥にまみれて復活を手繰り寄せられれば、初日からの休場も無駄ではなくなる。 (禰宜田功)

 

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