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【スポーツ】

<天佑の頂 御嶽海 初V(上)> 自分流貫き 勝負弱さ克服

初優勝し、賜杯を手に笑顔で万歳する御嶽海(中央)=ドルフィンズアリーナで

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◇大相撲名古屋場所<千秋楽>

 14日目に平成生まれの日本出身力士で初の優勝を決めていた関脇御嶽海は平幕豊山の掛け投げに屈し、13勝2敗で終えた。御嶽海は3度目の殊勲賞と2度目の技能賞も受賞し、来場所は大関昇進に挑戦する。12勝目を挙げた豊山は初の三賞となる敢闘賞に輝いた。 

 大関同士の顔合わせは、豪栄道が高安を難なく送り出して10勝目を挙げた。高安は9勝6敗だった。関脇逸ノ城は遠藤を押し倒して勝ち越した。11勝をマークした朝乃山は2度目の敢闘賞を獲得した。

 十両は貴ノ岩が2敗目を喫したが、優勝決定戦で隆の勝を引き落として制した。

 秋場所は9月9日から東京・両国国技館で行われる。

    ◇

 稽古場で肩を落とし、声を絞り出した。「どうしたらいいのか分からない。こんなことはいままでなかった」。今年の初場所で初日から7連勝しながら、8日目から5連敗を喫した。そのさなか、朝稽古の後に漏らした言葉に、負けが続くと抜け出せない歯がゆさがにじんだ。

 続く春場所も8日目から5連敗して8場所ぶりに負け越した。終盤の勝負弱さを指摘される中で「何を変えればいいか分からない。やれることをやる」ともがいた。

 次の夏場所から場所前の稽古で番数を増やした。積極的ではなかった出稽古にも「やるときはやる」と向き合った。名古屋場所前には「番数をこなすことしか考えていない」。大関豪栄道のいる境川部屋に出向いて25番をこなした日もあれば、別の日には新大関栃ノ心とも稽古で体をぶつけた。

 体力をつけようとそれ以上の番数をこなす力士は多い。親方衆からは「増やしても全然足りない」という声も聞かれた。ただ御嶽海は「がんがんやってけがをしたら意味がない。今必要な稽古が何か、考えてやっている」と自らを貫いて突き進んだ。

 感覚を頼りに、体調を重視しながら力を伸ばす。自分なりの試みを今場所の快進撃につなげた。場所前から右足のかかとに痛みを抱えていたが、鬼門の8日目を土つかずで乗り切ると、以降も体は動き、食欲も落ちずに15日間を乗り切った。御嶽海の体をケアする柔道整復師の坂梨辰幸さんは「毎場所体重が5キロは減るけれど、今場所は減っていないと思う」と明かす。

 12日目に初黒星を喫したが連敗はせず「しっかり体が反応している」と御嶽海。3横綱1大関が休場したのとは対照的に終盤まで体調を保った。千秋楽は豊山に敗れ「もう力が残っていない。稽古積まないと」。スタミナづくりはまだ道半ばだが、今できることを必死にやりきっての初優勝だった。 (海老名徳馬)

 ◇ 

 三役で2桁勝利がなかった関脇御嶽海が、猛暑の名古屋場所で初めて賜杯を抱いた。上位陣に休場者が相次いだとはいえ、一気に初優勝までたどり着いた裏には、己を信じる強い信念があった。

 

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