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【スポーツ】

<天佑の頂 御嶽海 初V(下)> あふれる才能と自信

初優勝を果たした千秋楽から一夜明け、笑顔で記者会見する御嶽海=愛知県犬山市の出羽海部屋宿舎で

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 まだ見せていなかった引き出しが次々に開いた。「全部の相撲が良かった。あそこまで俺は動けるんだって」。自分でも驚くほど好調だった御嶽海は多彩な攻めで白星を重ねた。

 3日目の貴景勝戦や6日目の正代戦では、立ち合いで左前みつをつかむと矢継ぎ早に攻めきった。過去0勝4敗と苦手にしていた11日目の魁聖戦は、当たりながら相手の左上手から遠ざかるように左にずれて有利な形をつくった。

 軸となる押し相撲でなくても、攻めの早さで相手を圧倒した。ほとんどの相撲で先手をとって攻め続けた15日間。「本当にうなるものがある。まさしく技能相撲」。阿武松審判部長(元関脇益荒雄)の評価が充実ぶりを物語る。

 東洋大では15もの個人タイトルを獲得したエリート。技術に加えて相撲勘にも優れる。天から授かったあふれる才能には、優勝を手にしてなお、秘めた部分を残す。今場所前には「手の内を全部見せてはいない。相手に読まれないように、大切なところで少しずつ使う」と明かした。

 普段の場所なら、取って置きの攻め口は「気が引き締まる」という横綱や大関相手に繰り出すことが多い。今場所は横綱、大関が続々と休場。下位の力士を目新しい取り口で翻弄(ほんろう)し、初めての賜杯にたどりついた。

 上位の不在という運にも恵まれた。ただ気持ちの面では「思い切り当たっていけないので下位の方がやりにくい。横綱、大関がいないと盛り上がらない」と強い力士に挑む方が性に合うという。優勝がかかる一番には「100パーセント勝てる。(トーナメント戦で)1回負けたら終わりの学生相撲出身をなめないでほしい」と話すほど、勝負強さに自信を持つ。

 秋場所では今場所休場していた力士にも挑む。上位戦が続いてもスタミナが保てるのか。真価が問われる場所でも、今場所の相撲が取れれば「全然通用すると思う」。頂を極めた経験が、大関昇進という目標に向かう糧となる。(海老名徳馬) 

 

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