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【スポーツ】

東京五輪 酷暑心配、ずらせないの? 米TV局の意向強く

2016年リオデジャネイロ五輪男子50キロ競歩で、レース中に水を浴びる銅メダリストの荒井広宙(右から2人目)。20年東京五輪では暑さ対策で給水の役割も重くなりそうだ=隈崎稔樹撮影

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 日本は今夏、世界的な異常気象の影響で酷暑に見舞われ、熱中症の疑いで緊急搬送される人が各地で相次いでいる。東京五輪は2年後に迫っており、改めて7月24日〜8月9日の開催日程が注目される。なぜ、この時期に五輪を行うのか。 (東京五輪取材班)

 Q 気温が下がる秋のほうが選手にとっても観客にとっても良さそう。なぜ日程変更が議論にならないのか。

 A 当初から国際オリンピック委員会(IOC)が「20年大会は7月15日から8月31日の間」と指定して立候補を希望する都市を募っており、東京側に選択の余地はなかった。招致段階の開催計画を示す「立候補ファイル」には「この時期の天候は晴れる日が多く、かつ温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候である」と記されている。だが、専門家からは「熱中症の危険と隣り合わせ」と声が上がっていた。

 Q 期間が限られるのは。

 A 米放送局とIOCの強い意向とされる。IOCの最大の収入源は放映権料だ。米NBCは14年ソチ五輪から夏冬10大会の米国向け五輪放映権を計120億ドル(約1兆3000億円)で取得。放送局は五輪と他の国際的な大型スポーツイベントが同時期に開催されることを嫌う。米大リーグは9月からシーズンの佳境を迎え、五輪と同じ4年ごとに行われるサッカーの欧州選手権は、20年大会だと6月に始まり、7月12日に決勝が行われる。放送局にとって、真夏の五輪は貴重なコンテンツ。大型イベントの重なりは避けたい。

 Q 前回の東京五輪は。

 A 64年東京大会は10月10日〜24日。商業化が進んだと言われる84年ロサンゼルス大会から流れが変わった。同大会は7月28日〜8月12日に開催。直後のソウル大会は9月17日〜10月2日だったが、その後は南半球で開かれた00年シドニー大会(9月15日〜10月1日)を除き、ほぼ7月下旬〜8月の間に開かれている。

 Q 猛暑で競技が中止になることは。

 A マラソン、競歩などのスタート時間を前倒ししたが、早朝から30度を超える現状では競技実施が危ぶまれる。陸上では国際陸上競技連盟の医事チームが「生命に関わる」と判断すれば中止になることも。国際トライアスロン連合はスイム会場の水温が32度を超えると競技を中止する。組織委、IOC、競技団体の3者が協議しながら実施の可否を判断することになる。

 Q 今後の夏季五輪は。

 A 24年パリ大会は7月26日〜8月11日。28年ロサンゼルス大会は7月21日〜8月6日と決まっている。気象庁によると、昨年7、8月の平均気温はパリが26・6、25・2度。ロスは25・3、25・2度。31・8、30・4度だった東京よりは低い。ただ今夏のような異常気象は今後もありうるので、他国でも開催日程の議論が出てくるかもしれない。

 

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