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【スポーツ】

五輪控え告発相次ぐ 居合道、昇段審査で現金授受

 全日本剣道連盟の居合道の段位、称号審査で、受験者が合格目的で審査員らに現金を渡す不正行為が慣例化していた問題を受け、連盟の中谷行道常任理事は十七日、不正が横行した背景として、演武の出来栄えや居合道への取り組みなどを評価する審査は主観的な要素が占める割合が多いという特徴を挙げ「お金が介在する余地があった」と説明した。

 審査員の氏名は受験者に知れ渡っており、事前の接触は容易な状況だった。さらに同じ審査員が長年継続するという構造的な問題もあり、「古流」と呼ばれる伝統的な流派の重鎮が「審査に強い影響力を及ぼしていた」実態もあったという。

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 レスリングのパワーハラスメント問題やアメリカンフットボールでの悪質な反則、ボクシングの不正疑惑に続き、今度は全日本剣道連盟が監督する居合道の昇段審査で現金の授受が慣行としてあったことが、明るみに出た。

 スポーツ庁の鈴木大地長官は「今起きたというよりも、前々からあったこと。僕らも声を上げようという人が増えたのではないか」と、後を絶たない不祥事の背景を分析する。

 選手、関係者が二〇二〇年東京五輪・パラリンピックを前に立ち上がったことが、不正発覚の連鎖につながっているとの見方だ。

 今回の事案が、レスリングやボクシングの問題と共通するのは、内部告発がきっかけとなった点だ。東京大会を二年後に控えてスポーツへの関心は急速に高まり、メディアでは選手の好成績も不祥事も大きく扱われる。「今のタイミングなら告発が改善につながるという思いの表れ」というのが、スポーツ界関係者の一致した意見だ。

 居合道の段位審査を受ける際に審査員から現金を要求されたとする男性が告発状を持ち込んだ、内閣府公益認定等委員会は、全日本剣道連盟に対して直接の監督権限を持たない。ただ同委はレスリングのパワハラ問題で告発を受け、競技団体に対し指導力を発揮した実績がある。ある国の関係者は「同じ組織に持って行けば何かが変わると期待して、告発は今後も続くのではないか」と予想する。

 

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