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【スポーツ】

<ジャカルタ・アジア大会>女王川井、3年ぶり黒星 入江は銀、奥野は銅 レスリング

女子62キロ級3位決定戦で勝利するも、悲しそうな表情で会場をあとにする川井梨紗子=榎戸直紀撮影

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 女子4階級と男子フリースタイル1階級が行われ、女子50キロ級の入江ゆき(自衛隊)は決勝でインド選手に負けて銀メダルだった。2016年リオデジャネイロ五輪63キロ級金メダリストで同62キロ級の川井梨紗子(ジャパンビバレッジ)は準決勝でモンゴル選手にフォール負け。3位決定戦に回り、ベトナム選手に完勝して銅メダルを得た。

 女子53キロ級の奥野春菜(至学館大)は準決勝で北朝鮮選手に敗れ、3位決定戦で台湾選手にフォール勝ちして銅メダルを獲得。同57キロ級の坂上嘉津季(ALSOK)は1回戦で北朝鮮選手に負けたが、この選手が決勝に進んだことで回った敗者復活戦と3位決定戦を勝ち抜き、銅メダルをつかんだ。男子125キロ級の荒木田進謙(レッスル・アカデミー)は1回戦で敗退した。 (共同)

◆伊調破った強敵に完敗

 両肩をマットに押さえ付けられる川井梨紗子の姿を、誰が想像しただろう。両手で顔を覆ったまま、立ち上がることができない。リオデジャネイロ五輪金メダリストが3年ぶりに敗れた。

 2点をリードし迎えた準決勝の第2ピリオド。30秒すぎだった。組み手争いの矢先、相手が右足首を取りにきた。

 川井が「一瞬すぎて、何が起きたのか分からなかった」と振り返った場面、日本代表の吉村祥子コーチは「腹ばいになればよかったのに、逃げすぎた」と指摘する。避けようとするあまりに体が反転し、川井は尻もちをつく。相手にフォールに持ち込むすきを与えた。浴びせ倒された。

 くしくも相手は、2016年1月に当時189連勝中の伊調馨(ALSOK)が完敗を喫したモンゴル人選手。以来、日本人は一度も勝ててないが、「日本人との相性どうこうじゃなく、単純に強い。精神的に守りに入らないタイプだし、攻めも守りも強い」と吉村コーチは分析する。

 人目をはばからず号泣した川井。春先から続いた栄和人・至学館大前監督によるパワーハラスメント問題で、「至学館」というだけで非難され、冷たい視線を浴びた。その環境下、後輩たちがひたむきに練習する姿を間近で見てきた。「だからこそ自分が勝たなきゃいけなかった」

 59キロ級で挑む10月の世界選手権を見据え、あえて増量せずに臨んだ今大会。「一瞬でも気を抜いた自分がいけない。自分はまだ器が小さかった」と体重の軽重は言い訳にしない。そこに、女王としての誇りがにじむ。 (ジャカルタ・多園尚樹)

 

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